[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.30 ミズノカップ準決勝 香川西高 0-0(PK6-7)神戸弘陵高 香川県サッカー場]

　今年、2年目のプレミアリーグWESTを戦う神戸弘陵高は各ポジションの選手層が充実してきている印象だ。特にアタッカーとボランチのポジションは激戦区となっているが、新チーム移行後、一人の新2年生ボランチが起用され続けている。

　そのMFの名は高野裕維。谷純一監督が「2年生ですけれど、精神的にもしっかりしている。(来年は)完全にリーダーですね。去年のプレミア終わって新チームになってからはずっと使っています。状況判断良くて、ミスの少ない選手です」というボランチはこの試合でも健闘。指揮官も評価する働きで勝利に貢献した。

　自他ともに認める強みがミスの少ない部分だ。高野は「元々、足下にはちょっと自信があった。そこで1タッチでボールを離したり、パスの正確さが自分のウリだと思っている。ミスの少なさだったり、ボール落ち着かせることだったり、広げたり、ゲーム支配できるように心がけてやっています」。

　この日はロングボールの多い香川西の攻撃の前に思うようにセカンドボールを拾うことができなかった。攻撃の部分でももっとチームを落ち着かせることができたと感じているが、それでもチームの中心として攻守で健闘。ミス無くボールを動かしながら、チャンスではゴール前に侵入した。そして前半30分には相手GKのビッグセーブに阻まれたものの、正確な左足シュートを枠へ飛ばすなど、相手にとって怖い存在にもなっていた。

「目標は守備でも身体張れる選手ですし、攻撃ではもっとゲームを支配できるようにしっかりコーチングだったり、ボールを落ち着かせる部分だったりそういうところでできたらなと思います」。小学生の時、全国高校選手権で戦う神戸弘陵の先輩たちの姿を見て「こういうサッカーがしたい」と憧れて進学。昨年はトップチームに絡むことができなかったが、いよいよチャンスを得た今年、神戸弘陵を中盤で牽引して一つでも多くの白星へ導く。

(取材・文　吉田太郎)

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