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[プレミアリーグWEST]東福岡が米子北を振り切る。“死のブロック”に入ったインハイへ危機感も

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先制点を決めたMF青木真生都(8番)を東福岡高イレブンが祝福

[7.1 高円宮杯プレミアリーグWEST第7節 東福岡高 2-1 米子北高 東福岡高G]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグWESTは1日、第7節の5試合を実施。東福岡高(福岡)と米子北高(鳥取)の一戦は、前半に2得点を奪った東福岡が2-1で勝利した。

 ともにインターハイへの出場権を手にする高体連対決は、森重潤也監督から「インターハイで当たることがあれば、気持ち的に有利になれるのでしっかり叩こう」と背中を押されて試合に挑んだという東福岡が序盤から主導権を握った。アンカーのMF青木真生都(3年)を中心としたテンポの速いボール回しによる左右への揺さぶりと、サイドチェンジで米子北を押し込むと、アタッキングサードでは右のMF石原利玖(2年)と、左のMF木橋朋暉(3年)が鋭い突破を披露。前半9分には左サイドへ飛び出したMF田村和玖人(3年)がゴール前にクロスを入れると、フリーのMF福田湧矢(3年)が頭で合わせたが、惜しくもGKの正面に終わった。

 スタートで出遅れた米子北も時間が経つにつれてリズムを掴み、前線からの激しいプレスで相手のミスを何度も誘発。ボール奪取からの素早いカウンターとセットプレーで好機を伺った。しかし、ここからというタイミングの27分に事故が起きる。サイドから許したクロスがPA内でDFの手に当たり、PKを献上。東福岡は青木が冷静に決めて先制すると、43分にも石原の右クロスをFW守田怜司(3年)が頭で合わせて、2点リードで前半を終えた。

 後半は「相手のやりたいサッカーをやられてしまい、守備対応がバタバタしてしまった」と東福岡のDF阿部海大(3年)が振り返ったように、流れが一変。米子北のペースとなった。ロングボールからFW奥石龍世(3年)とFW葉間田累(2年)が果敢な飛び出しを見せ、何度も東福岡ゴールに迫った米子北が、1点が奪えない。22分に放ったMF佐野海舟(2年)の決定打も左ポストに阻まれてしまう。それでも、37分にMF坂田二千翔(3年)が自ら得たPKを決めて、1点差。残り時間わずかとなってからも米子北が攻め込んだが、同点弾は生まれず、2-1で東福岡が勝利した。

 中断を挟んで3連勝となった東福岡だが、森重監督が「球際の強さなど相手を見習うべき点がたくさんあった」と口にしたように、決して満足の行く内容ではなかった。阿部が「決定機を作らせすぎた。全て決められていたら、4点は失っているので、改善しなければいけない。攻撃も2点で終わってしまったし、後半は決定機も作れなかった。勝てた喜びよりも今は危機感の方が強い」と厳しい言葉を口にしたのも、インターハイが近づいているからだ。

 試合途中には、インターハイの組み合わせが決定。明徳義塾高(高知)との初戦を皮切りに、2回戦では昨年度の選手権、プレミアリーグ王者である青森山田高(青森)、3回戦では昨年度の選手権で準優勝した前橋育英高(群馬)と対戦する可能性がある“死のブロック”に組み込まれた。前評判が高い富山一高(富山)や、京都橘高(京都)なども待ち構えるタフなトーナメント戦へ向けて、森重監督は「一戦一戦やっていくしかない。全て決勝のつもりで戦う。タフなゲームを勝ち抜けば成長できるし、負けてしまえばまだまだだったと課題が分かる」と力を込めた。

 厳しい試合が想定されるが、選手たちの意気込みは強い。阿部が「日本一を獲るためには、いつかは当たらなければいけないチームばかり。まずは先ばかり見ずに昨年、悔しい思いをしている初戦に集中したい。ハードなスケジュールで暑さもあるので、コンディションをどれだけ落とさず戦えるかがキーになる。自分たちはそこで差をつけないと勝てないので、今のうちに準備したい」と話せば、福田も「楽しみな組み合わせ。自分たちは弱いので、チャレンジャー精神で挑みたい。前節のG大阪ユース戦や今節と同じようにしっかり走り勝ちたい」とコメント。まずは、プレミアの前期残り2試合で課題を克服し、大会への準備を進めるつもりだ。

(取材・文 森田将義)
●2017プレミアリーグWEST

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