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[ミズノカップ御殿場]「肝が据わっている」野洲、開始3分で失点も慌てず名東に5発逆転勝ち!

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野洲高FW井野将真はこの試合、2得点の活躍

[8.24 ミズノカップ御殿場準決勝 野洲高 5-2 名東高 時之栖うさぎ島G]

 全国の強豪24校が夏の鍛錬の場として心技体の成長を目指す「スポーツらぼFOOTBALL CAMP~ミズノカップ御殿場2017~」は24日午前、上位リーグのM-1リーグ準決勝を行い、野洲高(滋賀)対名東高(愛知)戦は5-2で野洲が勝った。

 ともにインターハイ出場こそ逃しているものの、名東は今大会でインターハイ出場の真岡高に2-1で競り勝って4強入り。野洲も今月14日まで開催されたミズノカップU18 in熊本2017で優勝(初芝橋本高と両校優勝)し、今大会のグループリーグでもインターハイ準優勝の日大藤沢高を2-1で破って4強入りした。

 冬の躍進へ向けて勢いある両校の戦いは、開始3分に名東が先制する。敵陣で相手ボールをインターセプトしたMF井原雄大(3年)が縦へのドリブルで2対1の状況をつくってからラストパス。これを右SB鶴田航大(3年)が決めて先制点をマークした。

 だが、立ち上がりの失点で目が覚めた野洲がすぐに名東へ襲いかかる。6分、この日抜群の存在感を放った注目MF江口稜馬主将(3年)がボランチの位置から前方に空いたスペースを逃さずに突くドリブル。そしてスルーパスを受けたFW井野将真が切り返しから相手の意表を突くトゥーキックでのシュートを決めて同点に追いついた。

 攻撃のテンポを落とさない野洲はさらに13分、江口がノールックでの絶妙なサイドチェンジ。左足のロングキックを右のFW梅崎彪(3年)へ通すと、山本佳司総監督も「成長してきた」と評するドリブラーが強引に局面を打開する。そして深く切れ込んでから中央へ折り返したボールを注目MF高取誠隆(3年)が右足ダイレクトで左ポスト方向へはたくと、飛び込んできたFW田嶌祐作(3年)が1タッチでゴールへ押し込んだ。

 野洲は1タッチパスを多用しながら「ショートパスで偏らせて、サイドチェンジしたりオプションをつけて」(山本総監督)という攻撃にチャレンジ。江口やMF中島聖(3年)の展開力や梅崎の突破力、高取のアイディアなどを活かして3点目を狙った。

 2日後に県1部リーグの公式戦を控えるため、下級生のテストにも充てていた名東はそこで経験不足の面が出て2失点。井原やFW丸山玲弥(3年)が良くボールをキープして反撃し、またコンパクトな陣形からプレッシャーをかけてボールを奪うことにも成功していた名東は丸山がターンから決定的なシュートを放つシーンもあったが、追いつくことができない。

 対して野洲は後半、名東を一気に突き放す。8分に井野のミドルシュートで加点すると、34分には左SB佐々木海人(3年)が決めて4点目。17分にも梅崎が決めて4点差とした。名東も20分にFW阿部仁哉(2年)が1点を返したものの、野洲が快勝を収めた。

 野洲はインターハイ予選で新興勢力の近江高に準々決勝で苦杯を喫したが、昨年から主軸の江口や高取、佐々木の存在は大きく、梅崎らの台頭、我慢強くなってきた守備の成長もある。そして、名東の青山桂監督が「(自分たちと違い、)野洲は肝が据わっている。自分たちが先制点を獲ってから目の色が変わった。サッカーを知っていると思った」と評していたが、相手のプレッシャーなどを体感する中で力のかけどころを理解していたチームは、失点後に圧力を高めて前半のうちに2点を奪い返し、後半半ばまでの連続得点で勝負の行方を決定づけた。

 高取が「結構いい状態で来ていると思う。選手権まで時間はあるようで、無い。選手権までにもう一つ強くなれるようにしたい」と語ったように、満足することなく貪欲に上を目指す“セクシー軍団”野洲が名東の挑戦を退けて決勝進出を決めた。

(取材・文 吉田太郎)

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