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「NIKE NEXT HEROプロジェクト」選抜の“ムードメーカー”? CB吉田は「自分の仕事」の声と身体張る部分で勝利に貢献

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声でチームを支えるDF吉田伸弘(阪南大高)は快勝に貢献

[1.24 練習試合 NIKE NEXT HEROプロジェクト選抜 11-1 ASヴィズノーヴァ]

 「NIKE NEXT HEROプロジェクト」イタリア遠征メンバーは24日、インテル系列のASヴィズノーヴァと対戦し、11-1で大勝した。DF吉田伸弘(阪南大高3年)は4-1-4-1システムのCBとしてフル出場。最終ラインからの積極的な声でチームの守りを引き締め、ボールの持ち出しから、攻撃の起点にもなるなど快勝に貢献した。

 “大阪人”の吉田は声でチームの良さを引き出す役割をしている印象だ。「後ろの選手なので声出してとか、DFなので体張るとかは当たり前に自分の仕事ですし、周りの選手をどんどん動かしていきたい。やっぱりチームによってやっていることが違うので、それをみんなに声をかけて合わせていかないといけない」。急造チームには欠かせない声の持ち主だ。

「NIKE NEXT HEROプロジェクト」選抜は21日に顔合わせしたばかり。それぞれ強豪チームの主力として戦い、高円宮杯プレミアリーグのプレーを評価されてメンバー入りしているとは言え、コンビネーションの部分の不安が無いわけではい。

 その中で、阪南大高(大阪)の主将を務めてきた吉田はカバーリングの部分や相手の攻撃を弾く部分で強さを発揮する一方、積極的に周囲と声を掛け合って動きを確認。顔合わせ時に「関西人ですが一発芸は期待しないで下さい」と話していたものの、ピッチ外でもノリの良さで“ムードメーカー的”な存在になっている。

 チームメートたちは「ムードメーカーじゃないですよ」「イジられ役です」と全否定するが、本人は「こういうふうにチームメートも歓迎してくれるので……(周囲笑)。2年の佐野(海舟)とか3年の中村(駿太)、キャプテンの谷川(勇磨)とか特にイジられたがりなので! でも試合ではしっかりできるようにしたいですね」と動じずに、コミュニケーションを取りながら自分のやるべきことをやろうとしている。

 17年はプレミアリーグ初参戦の阪南大高(大阪)の守備の柱として、チームを6位残留へ導いた。結果を出すために守備に重きを置いたサッカーでG大阪ユースやC大阪U-18を撃破。徹底した守備で強豪を打ち破る面白みとはまた違う面白みが「NIKE NEXT HEROプロジェクト」選抜にはあるようだ。「いつもやったら失っている場面や通らない場面でみんな顔出してくれたりして取られない。めちゃくちゃ楽ですし、助かります」とプロ入りする選手もいる今回のチームメートたちを頼もしく感じている。

 イタリアでは「次のステップに行くためにどれだけビルドアップできるかとか試していきたい」と話し、これまでライバルだった選手たちからも貪欲に吸収する構え。また、阪南大高の濱田豪監督から「いい経験ができるから、行った後チームメートに伝えてあげてくれと言われました」という吉田は今回の貴重な経験をチームメートと共有するつもりでいる。

 日本にいるクラスメートや地元の旧友たちからは「イタリアええなとか、お土産買ってきてなとか言われていますね」と吉田。“土産話のネタ”をより良いものにするためにも、ヴァレジーナ・カルチョとの最終戦(25日)でもチームの勝利に声と身体を張った守りで貢献する。

(取材・文 吉田太郎)

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