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[球蹴男児U-16リーグ]西原が九州の強豪相手に奮闘。沖縄の1年生にとって貴重な経験に

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球際の強さとキープ力、パスで存在感を示した西原高MF糸数玲音

[5.4 球蹴男児U-16リーグD2第2節 鹿児島実高 10-2 西原高 大津多目的]

「2018 球蹴男児U-16リーグ」には沖縄県の出場枠が1つ設けられている。昨年は沖縄県を除く九州7県から選出された18校によってリーグ戦を実施したが、今年は2年後に沖縄県で開催されるインターハイへ向けた沖縄県内の高校の強化、そして「九州は一つ」の考えの下、関係者たちの尽力もあって沖縄県枠を設置。地理的な事情によって1つの高校がシーズンを通してリーグ戦に参加することはできないが、強化指定校である西原高那覇西高宜野湾高の3校が交代でDivision2のリーグ戦に臨むことになっている。

 今回、5月3日から5月6日まで熊本県で開催されているDivision2の第1節から第4節に西原が参加している。筑紫台高との初戦は0-5で敗れたが、鹿児島実高との第2節で初得点を記録。試合は2-10で完敗だったものの、「自分はインターセプトとか狙ってそこからカットして攻撃を組み立てたり、落ちてきた味方を使ってプレーしました。」というMF糸数玲音や柔らかいドリブルが特長のMF比屋根由也が存在感を発揮し、ポゼッションからサイドを崩す形など自分たちの良さを表現した部分も多かった。

 そして、後半開始直後に左サイドでの崩しから相手のクリアに詰めたMF池原弥輝がゴール。35分には交代出場のFW玉那覇礼人もゴールを決めた。だが、普段ならば繋ぐことができるような状況でボールを失い、わずかな隙を的確に突かれて大敗。玉城真哉監督は「凄い経験をさせてもらっている。(差を)痛感していると思います」とコメントしていた。

 続く、熊本国府高戦を1-4で落として3連敗。現状では力の差を見せつけられている。それでも、沖縄の1年生がこの時期から九州の強豪校と戦う経験は貴重。玉城監督も1年時が九州のトップレベルを知ることの重要性を口にしていた。「球蹴男児U-16リーグ」によって、沖縄の中学生は高校進学時に他県の高校へ進学せずに、地元に残っても高いレベルに触れることができる。今後、地元の高校から九州に挑戦するような選手が増えれば、その差も縮まっていきそうだ。

 今回、「球蹴男児U-16リーグ」で運動量の部分などに差を感じたという糸数は「ここでできなかったことを個人的な面や基礎をチームに持ち帰って伝えて修正したり、またできていることをこれから頑張って伸ばしていきたい。オフの部分でもダラダラせずに、移動の部分とか切り替えたり、そういうところから直していきたいです。自分たちでやるぞという強い思いでやっていきたいです」と力を込めた。

 早くも意識面が変わったことに加え、彼らが1試合ごとに向上していることも確か。貴重な経験で現状の力の差を知った西原イレブンが、日々の取り組みで差をさらに埋めて、秋に予定されている次回のリーグ戦でその成長を確認する。

(取材・文 吉田太郎)
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