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「置かれたところで咲きなさい」の言葉胸に。大津のエース・水野が左SBに挑戦し、1ゴール

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日本高校選抜候補MF水野雄太(大津高)は左SBとして抜群の突破力を発揮

[1.27 練習試合 日本高校選抜候補 6-1 山梨学院大]

 大津高のエースは左SBとして新境地を開くことになりそうだ。MF水野雄太(3年)は2年時から名門の10番を背負い、U-18日本代表歴も持つ強力アタッカー。日本高校選抜候補合宿では初日からサイドで抜群の突破力を発揮し、チャンスメークしてきた。

 今回の合宿で3-6-1システムの際にはWBを担当。特に左サイドからDFをかわしてシュートする形を持つ水野は、そのポジションでも存在感を示してきた。だが、高校選抜では新たなチャレンジ。4-5-1システムに変更されたこの日は、水野の左SBとしてのポテンシャルを高く評価する朝岡隆蔵(市立船橋高)の意向によって、計50分間、左SBとしてプレーした。

 彼にとって左SBは初めてのポジション。高速ドリブルから試合を決めるような活躍をしてきた水野にとっては戸惑いもあったという。だが、「与えられたところで活躍していかないといけない。これから先、生き残っていくためには適応能力が必要になってくると思う。『置かれたところで咲きなさい』という言葉があるように、今はその言葉を念頭に置いてプレーしています」と前向きに挑戦することを決意した男は、左SBのポジションで存在感を放った。

 練習試合2本目に左SBに入ると、果敢な攻撃参加を連発。上がり過ぎてしまったことで、守備に戻ることがキツくなっていたというが、「相手に『コイツ、運動量多い』と褒められたので『頑張ろうかな』と思って頑張りました」と微笑む。際立った体力を持つ訳ではないが、走ってPAで決定的な左足シュートも放った左SBは大津のチームメート、CB吉村仁志(3年)の隣でプレーした4本目の12分にゴールを決めた。

 MF熊澤和希(流通経済大柏高3年)からのパスを左サイドで受けると、左足シュートを警戒するDFの逆を取る形でカットイン。DFをかわしてそのまま右足シュートをゴール右隅に流し込んだ。

 高校選抜では本職であるSHとしての起用もありそう。その上で水野は今後も前向きにSBにチャレンジしていく構えだ。守備時の背後の対応や相手SHへのアプローチスピードなどを改善しなければならないと感じているが、余りある攻撃力で高校選抜により多くのゴールをもたらし、自身の可能性を広げる。

「サイドだったらどこでもできる選手になった方が良い。SBで守備鍛えてSHになった時にその守備を前からできれば後ろが楽かなと思うし、全部プラスに捉えて自分の中に落とし込んでいければ自分のプレーの幅も広がるだろうし、活躍できる場所も増えるかもしれない」。朝岡監督が指導してきた市立船橋高では、高校選抜にも選出されている松尾勇佑( 3年)がFWからSBにコンバートされて能力を開花している。注目アタッカー・水野もSBで飛躍のきっかけを掴むかもしれない。

(取材・文 吉田太郎)

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