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[ガバナーカップ]世界基準を財産に。姫路選抜がベルギー・オイペンU-18に敗戦も、為則らが躍動

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海外勢相手に実力を見せつけたMF為則太一(エストレラ姫路U-18)

[3.25 ガバナーカップ兵庫2019 姫路選抜U-18 0-4 オイペンU-18 三木防災陸上]

 ドイツ、ベルギーのクラブチームと昨年度の選手権王者・青森山田高を兵庫県の3チームが迎えて行う国際交流親善大会「ガバナーカップ兵庫2019」は25日に大会3日目を実施。姫路選抜U-18とオイペンU-18(ベルギー)の一戦は、4-0でオイペンが勝利した。姫路選抜は26日にアウグスブルクU-16(ドイツ)と5位決定戦を行う。

 13地域の選抜と県選抜が参加した県民大会で最上位となり、今大会への出場権を得た姫路選抜。2日前に行った青森山田高とオイペンの一戦を分析して試合に挑んだが、「前からプレスに行く際にCBに食いつきすぎて、空いたFWと中盤の間を上手く使われた」(為則太一、エストレラ姫路U-18・新2年)ため、立ち上がりからオイペンのビルドアップに手を焼いた。

 自陣でも果敢にボールを奪いに行ったが、「ボールを受ける際の身体の大きさが日本人とは違って難しかった。相手は判断も早く、ファール覚悟で行っても抜かれる場面があった」(DF井石龍我、エストレラ姫路U-18・新2年)。守備で苦戦を続けた結果、前半26分にはワンツーでPA内を抜け出したMFケイタ・アマドゥに先制点を献上。33分と38分にも連続失点を許し、リードを3点差まで広げられて前半を終えた。

 苦境を脱したい姫路選抜は後半、前線からプレスに行く選手の人数を増や、高い位置でのボール奪取を徹底。最終ラインも勇気を持って前に出るようになったことで、良い状態でボールを奪う回数が増えた。

 チーム状態と共に上向きになったのは昨年、国体県選抜で10番を背負った実力者の為則だ。164cmのレフティーが「思ったよりも通用した」と振り返るドリブルで相手を翻弄すると、後半6分にはMF三浦明(琴丘高・新3年)が奪ったボールを受けてミドルシュートを放った。

 俊足FW田邉真輝(エストレラ姫路U-18・新2年)を投入してからは攻撃の勢いが更に加速。30分には為則のパスから田邉が決定機を迎えたが、GKの好セーブに阻まれ得点には至らず。逆に34分には前がかりになった隙を突かれて4点目を与え、0-4でタイムアップ。吉川毅監督は「選手は普段よりも1.5倍くらい走ってくれたけど我々、大人が相手をリスペクトしすぎた。最初から選手たちに思い切ってやらせるために最初から後半の戦いをやれば良かったかもしれない。1点でも獲らせてあげたかった」と悔しさを滲ませた。

 初戦の青森山田戦は先制しながらも、後半の3失点で逆転負け。この日も4失点と黒星が続いたが、普段味わえない全国レベルのチームや世界基準を味わえた意味は大きい。吉川監督はこう話す。「間違いなく普段対戦している相手よりも(勝利への)ハードルが高い。大会を経験して選手の日常の基準が変わると思う。今回の基準を姫路に持って帰って、スタンダードにしていかなければいけない」。井石は「自チームでも今回の経験を共有していって、次にこういう舞台に立った時は勝ち切れるようにしたい」と来年以降のリベンジを誓った。

(取材・文 森田将義)

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