流経大に逆転負け。J加入組、U-18代表組合流の日本高校選抜は“基準”を再確認
[2.6 練習試合 日本高校選抜 2-4 流通経済大]
4月の欧州遠征へ向けて埼玉県内で選考合宿中の日本高校選抜が6日、流通経済大と練習試合(30分×4本)を行い、2-4で逆転負けした。日本高校選抜は埼玉合宿最終日の2月8日に「NEXT GENERATION MATCH」(埼玉)で横浜FMユースと対戦する。
1月末の静岡合宿で流経大と対戦した際は3-2で逆転勝ち。日本高校選抜はその合宿で不在だった右SB吉田晴稀(帝京長岡高3年/愛媛加入)とMF古宿理久(青森山田高3年/横浜FC加入)、FW山田真夏斗(立正大淞南高3年/松本加入)、FW晴山岬(帝京長岡高3年/町田加入)の4人のJリーガーや、U-18日本代表組が先発した。
前回の選考合宿で好プレーを見せた選手たちに実績のある選手たちが加わったことで、蒲原晶昭監督(佐賀東高)は「融合するか、どうか。化学反応が起こるか、と言っていた」というが、1本目はそれ以前に日本高校選抜の“基準”が出せない30分間だった。
プレッシングの強度が弱く、ハードワークする姿勢も不足。相手にサイド、前線へ自由にボールを入れられてしまう。10分にはCB藤井海和(流通経済大柏高2年)のゴールライン上でのクリアで難を逃れたものの、決定的なピンチもあった。
11分、日本高校選抜は藤井のインターセプトから、MF後藤健太(青森山田高3年)が右サイドを駆け上がった吉田へスルーパス。これを受けた吉田がそのままドリブルで斜めに持ち込み、右足シュートを逆サイドネットに突き刺した。
だが、13分にサイドから簡単に崩されて同点。距離感が遠く、ミスなどから攻められた日本高校選抜は、22分にも失点して逆転されてしまう。この後はFWの山田が積極的にボールを引き出し、26分には右ポスト直撃の左足ミドル。個々の奮闘もあったが、1本目終了後に選手たちは蒲原監督から「引かないで奪いに行くこと」を強調されていた。
メンバー11人を入れ替えて迎えた2本目、日本高校選抜は開始直後にボランチのMF井堀二昭(静岡学園高3年)が前線の選手を追い越すような形で強烈なプレッシング。このプレーで自分たちがやるべきこと、“基準”が定まったチームはMF濱屋悠哉(神村学園高3年)が献身的に2度追いするなど、守備の強度や切り替えのスピードが上った。
また、好守が良い攻撃に繋がる。井堀やMF浅倉廉(静岡学園高3年)が相手を剥がして前進するなど巧さを見せ、左SB大竹琉生(昌平高3年)のクロスにFW田海寧生(丸岡高3年)が飛び込むシーンもあった。
蒲原監督も「2本目の中盤の守備は凄く良かった」と称賛。2本目を0-0で終え、1本目のメンバー中心に構成された3本目の選手たちも日本高校選抜の“基準”を持って戦った。5分にMF森夢真(四日市中央工高3年/沼津加入)の左足ループがゴールを襲うと、直後には敵陣でのインターセプトからGKと1対1になった後藤がラストパス。これをFW小見洋太(昌平高2年)がゴールへ流し込み、通算のスコアを2-2とした。
流経大の主力メンバーが交代したこともあったが、日本高校選抜の内容も向上。古宿が「3本目入る時に守備の強度だったり、今回やっている柱みたいなものがあるんですけれども、明確にして臨むことができた」と語ったように、J加入組やU-18代表組を含めて“基準”を再確認したことで自分たちの狙いとする戦いができるようになった。
4本目は直接FKを決められるなど2失点。それでも、CBからボランチに上った丸山喬大(帝京長岡高3年)らが激しいチェックやボール奪取を見せ、チャンスに繋げていた。試合は2-4で敗戦。仕留める力を欠いたことも確かだけに、チームとして課題となった部分を改善し、“化学変化”に繋げる。
蒲原監督は「良い意味での“化学変化”ができていない。ミーティングで整理したい」。現時点では「この選抜チームでやる」という気迫、チームのために戦う姿勢も足りない。全員が世界で戦うための“基準”を共有し、試合を通じて表現すること。その上で今年のチームの強みであるテクニカルな部分やタレントたちの個性を発揮していく。
試合後には、第98回全国高校サッカー選手権大会で応援マネージャーを務めた女優の森七菜さんがチームを激励。1本目から試合を観戦していた森さんは「残念でしたけれど、本番があるので、頑張って下さい!」とエール。明らかにテンションを上げていた選手たちは、2日後の「NEXT GENERATION MATCH」で勝って、期待に応える。
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019
4月の欧州遠征へ向けて埼玉県内で選考合宿中の日本高校選抜が6日、流通経済大と練習試合(30分×4本)を行い、2-4で逆転負けした。日本高校選抜は埼玉合宿最終日の2月8日に「NEXT GENERATION MATCH」(埼玉)で横浜FMユースと対戦する。
1月末の静岡合宿で流経大と対戦した際は3-2で逆転勝ち。日本高校選抜はその合宿で不在だった右SB吉田晴稀(帝京長岡高3年/愛媛加入)とMF古宿理久(青森山田高3年/横浜FC加入)、FW山田真夏斗(立正大淞南高3年/松本加入)、FW晴山岬(帝京長岡高3年/町田加入)の4人のJリーガーや、U-18日本代表組が先発した。
前回の選考合宿で好プレーを見せた選手たちに実績のある選手たちが加わったことで、蒲原晶昭監督(佐賀東高)は「融合するか、どうか。化学反応が起こるか、と言っていた」というが、1本目はそれ以前に日本高校選抜の“基準”が出せない30分間だった。
プレッシングの強度が弱く、ハードワークする姿勢も不足。相手にサイド、前線へ自由にボールを入れられてしまう。10分にはCB藤井海和(流通経済大柏高2年)のゴールライン上でのクリアで難を逃れたものの、決定的なピンチもあった。
11分、日本高校選抜は藤井のインターセプトから、MF後藤健太(青森山田高3年)が右サイドを駆け上がった吉田へスルーパス。これを受けた吉田がそのままドリブルで斜めに持ち込み、右足シュートを逆サイドネットに突き刺した。
だが、13分にサイドから簡単に崩されて同点。距離感が遠く、ミスなどから攻められた日本高校選抜は、22分にも失点して逆転されてしまう。この後はFWの山田が積極的にボールを引き出し、26分には右ポスト直撃の左足ミドル。個々の奮闘もあったが、1本目終了後に選手たちは蒲原監督から「引かないで奪いに行くこと」を強調されていた。
メンバー11人を入れ替えて迎えた2本目、日本高校選抜は開始直後にボランチのMF井堀二昭(静岡学園高3年)が前線の選手を追い越すような形で強烈なプレッシング。このプレーで自分たちがやるべきこと、“基準”が定まったチームはMF濱屋悠哉(神村学園高3年)が献身的に2度追いするなど、守備の強度や切り替えのスピードが上った。
また、好守が良い攻撃に繋がる。井堀やMF浅倉廉(静岡学園高3年)が相手を剥がして前進するなど巧さを見せ、左SB大竹琉生(昌平高3年)のクロスにFW田海寧生(丸岡高3年)が飛び込むシーンもあった。
蒲原監督も「2本目の中盤の守備は凄く良かった」と称賛。2本目を0-0で終え、1本目のメンバー中心に構成された3本目の選手たちも日本高校選抜の“基準”を持って戦った。5分にMF森夢真(四日市中央工高3年/沼津加入)の左足ループがゴールを襲うと、直後には敵陣でのインターセプトからGKと1対1になった後藤がラストパス。これをFW小見洋太(昌平高2年)がゴールへ流し込み、通算のスコアを2-2とした。
流経大の主力メンバーが交代したこともあったが、日本高校選抜の内容も向上。古宿が「3本目入る時に守備の強度だったり、今回やっている柱みたいなものがあるんですけれども、明確にして臨むことができた」と語ったように、J加入組やU-18代表組を含めて“基準”を再確認したことで自分たちの狙いとする戦いができるようになった。
4本目は直接FKを決められるなど2失点。それでも、CBからボランチに上った丸山喬大(帝京長岡高3年)らが激しいチェックやボール奪取を見せ、チャンスに繋げていた。試合は2-4で敗戦。仕留める力を欠いたことも確かだけに、チームとして課題となった部分を改善し、“化学変化”に繋げる。
蒲原監督は「良い意味での“化学変化”ができていない。ミーティングで整理したい」。現時点では「この選抜チームでやる」という気迫、チームのために戦う姿勢も足りない。全員が世界で戦うための“基準”を共有し、試合を通じて表現すること。その上で今年のチームの強みであるテクニカルな部分やタレントたちの個性を発揮していく。
試合後には、第98回全国高校サッカー選手権大会で応援マネージャーを務めた女優の森七菜さんがチームを激励。1本目から試合を観戦していた森さんは「残念でしたけれど、本番があるので、頑張って下さい!」とエール。明らかにテンションを上げていた選手たちは、2日後の「NEXT GENERATION MATCH」で勝って、期待に応える。
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019