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高校生に勇気を。東京五輪のエース候補FW小川航基が母校・桐光学園にマスク寄贈

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FW小川航基(磐田)から郵送されたマスク

 東京五輪日本代表のエースストライカー候補、FW小川航基(磐田)が母校・桐光学園高(神奈川)にマスクを寄贈した。

 新型コロナウィルス感染拡大の影響によって、インターハイが中止に。多くの高校生が目標を失った。依然、各地で休校が続き、命の危険もある。後輩のサッカー部員たちも2月から活動休止中。昨夏日本一の桐光学園は、全国で唯一インターハイ連覇の権利を持っていたが、その大会がなくなり、今は個々が不安を抱えながら自主トレーニングに励んでいる状況だ。

 小川は高校サッカーを通して人間として、プレーヤーとして成長して飛躍した。1年時から先発起用され、3年時は主将。そして、チームメートや神奈川県内、全国のライバルたちと切磋琢磨しながら高校ナンバー1ストライカー、世代を代表する選手となった。母校や高校サッカーに対する思いは特別なものがある。

 自身もサッカー人生を懸けて目指してきた東京五輪が延期となり、Jリーグも再開が先送りとなっている状況。だが、後輩たちのことを考え、またMF香川真司(サラゴサ)やMF柴崎岳(デポルティボ)と同じく株式会社UDN SPORTSの「#つなぐ」プロジェクトに賛同して今回、できることを実行した形だ。

 小川は桐光学園の鈴木勝大監督を通して選手たちに動画メッセージ。「僕も桐光学園で色々なことを学ばせてもらって、今こうしてプロとして生活出来ています。凄く感謝しています。今、コロナウィルスの影響で非常に苦しい時期が続いていますけれども、一人ひとりが、何ができるのかをしっかりと考えて、今の時期をしっかり乗り越えて行きましょう!」と後輩たちを勇気づけた。

 教え子からのサポートを受けた鈴木監督は、「世の中がこういう状況の中でも母校のことを想い行動をしてくれたことは指導者冥利につきます。この優しさとプレーで後輩や子どもたちに大きなエネルギーを与えてくれたと思います。我々も感謝をパワーに変えて戦っていきます」とコメント。寄贈されたマスクはサッカー部、学校で有効活用する考えだ。選手たちは、U-20ワールドカップで負った大怪我を乗り越えて目標へ向かって突き進む先輩の行動から学び、自分たちも「何ができるのか」しっかりと考えて、全力を尽くす。

FW小川航基桐光学園高のエースとして活躍。(写真協力=高校サッカー年鑑)

(取材・文 吉田太郎)

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