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「最後に結果を出すのは、自分」。求めていることを表現し始めた矢板中央FW久野木力丸

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矢板中央高FW久野木力丸はサニックス杯の2試合で決勝点

 チームが苦しい試合でこそ、決める。サニックス杯ユースサッカー大会2021(福岡)で矢板中央高(栃木)の10番を背負ったFW久野木力丸(新3年=EC JOGADOR出身)は、山梨学院高(山梨)戦、佐賀東高(佐賀)戦で決勝ゴール。選手権の全4試合で交代出場しているFWは、求めていることを徐々に表現し始めている。

 矢板中央の新チームはAチーム50人体勢でスタート。激しいメンバー争いを繰り広げてきた。その中で、金子文三コーチが特に成長した選手として名を挙げたのが久野木だ。「(堅守・矢板中央は)みんなレベル高くて、その中で自分のプレーができれば強いチームとやっても自分のプレーができるとという感覚でやってきた」と語る久野木は磨いてきた鋭いドリブル、ボールキープ、決定力でチームの攻撃を引っ張っている。

 ドリブルチームだというEC JOGADORではフィニッシャー役。だが、身体能力の高い選手が揃う矢板中央で試合に出続けるためには、武器を増やさなければならない。「元々ドリブルをやってきた。ここでもっと輝くためにはドリブルもっと使って、一人で行ける選手にならないといけないという思いがあります」。選手権では青森山田高相手に「少しやれた」という一方、足りない部分が多いことも気付かされた。意識高く続けて努力してきたことが実になってきている。

 特に重視していることは、「ここぞの場面」でゴールを奪うことだ。「『最後に結果を出すのは、自分』という思いでやってきた。たくさん点を獲る時は色々な人が点を獲って良いと思うんですけれども、0-0とかで迎える時に最後一発獲れればなと」。守る時間が続いてなかなかボールに触れられなかった佐賀東戦でも、ポジティブに考えて一本を狙い、ロングスローから決勝点。サニックス杯は一つ自信を得る大会となった。

 2年連続選手権3位からの「進化」をチームテーマとして掲げる今年、特に「進化」を求められるのが攻撃陣だ。全国上位の対戦相手でもボールを収めて、攻撃する時間を増やしていかなければならない。久野木は日本高校選抜候補のMF大畑凜生(新3年)やMF唐橋玖生(新3年)、サニックス杯で不在だったMF星景虎(新3年)らとともに成長を続け、得点を奪うこと、攻撃を「進化」させることを目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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