[4.11 関東大会東京都予選1回戦 堀越高 0-0(PK0-3)東海大菅生高]

　東海大菅生が全国8強を撃破。2021年度関東高校サッカー大会東京都予選が11日に開幕し、1回戦で全国高校選手権8強の堀越高と東海大菅生高が激突。0-0で突入したPK戦でGK加藤海斗が3本連続で止め、東海大菅生が3-0で勝利している。

「堀越相手に1点獲られたら、負ける」。「自分たちが勝っているもので戦う」。その意識を持って集中力の高い戦いを見せた東海大菅生が、注目校を撃破した。試合は堀越がボールを握って攻める展開。巧みに相手の前に潜り込みながら前進する注目MF山口輝星(3年)やMF 宇田川瑛琉(3年)、MF日隠ナシュ大士(3年)がDF間にポジションを取りながらボールを繋ぎ、10番MF古澤希竜(3年)がサイドから鋭く切れ込むなど東海大菅生DFにプレッシャーをかける。

　それに対し、東海大菅生を全国へ導いてきた手塚弘利前監督(現総監督)に代わって今年から指揮を執る小森伸一監督は、「(選手たちに)ハードワークしなければダメだろうと。上手さに関しては相手の方がある。自分たちが勝っているところは何?という話をしました。みんな集中してよくやってくれました」と振り返る。

「正直、堀越だったので1点取られたら負けという気持ちで取り組んでいていつもよりは守備的で入った」(加藤)という東海大菅生は、後ろに重心を置く形でコンパクトな守備を徹底。　そして、手塚総監督が「アイツに言われたら周りもついてくる」と評したCB竹村吉裕主将(3年)とCB染野剛成(3年)を中心に相手の攻撃を食い止める。

　大黒柱の竹村は声でチームを勇気づけながら、自身も球際などでエネルギッシュなプレー。「目の前の試合に勝つということと、この冬の期間みんな追い込みとかでグラウンド10周走ったりキツいことをしていた中で自分は怪我でできていなくて。キャプテンとして出ているからにはみんなよりも頑張らなければいけないという気持ちが今回はありました」という言葉通り、誰よりも責任感を持ってゴールを守り続けていた。

　東海大菅生は守備に専念するだけでなく、MF尾形大地(2年)が縦パスを通したり、MF田中慶(2年)のドリブルでの仕掛け、前線の抜け出す動きなどを活かして幾度か攻め切っていた。そして、1点を与えないというノルマを貫徹。延長戦を含めた100分間守り切ると、PK戦では1人が外したものの、GK加藤が3本全て止める活躍を見せて勝利した。

　打倒・堀越を果たしたが、目標はここではない。竹村はミーティングで「堀越という強い相手に勝ったからこそ、周りに見られる」とチームを引き締めたという。そして、「(堀越に勝ったことは)自信にもしていきたいし、足りないところをもっと埋めていきたい。自分たちは全国で1勝することがまず目標。そこに行くためには関東で勝つことはやらなければいけないことだと思う。1試合1試合大事にしてやっていきたい」と力を込めた。良い形でインターハイに繋げるためにも、気を抜くことなく練習と試合に臨み、勝ち続ける。

(取材・文　吉田太郎)