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青森山田相手に健闘も感じた“ちょっと”の差。左SB保田成琉は阪南大高に経験伝え、U-17高校選抜でも「先頭に立つくらいに」

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阪南大高の左SB保田成琉はU-17日本高校選抜で「先頭に立つくらいやっていかないと」

 王者との戦いから学んだものをさらなる躍進や自身の目標達成に繋げる。昨年、阪南大高は、大阪で19年ぶりとなるインターハイ予選、選手権予選の2冠。選手権で全国初勝利を記録するなど、ともに全国16強まで勝ち上がった。そのチームで主に左SBを務めた保田成琉(2年=ディアブロッサ高田FC U-15出身)は、「去年あんだけ良いチームだったのでプレッシャーもあるんですけれども、去年も目標に掲げていたベスト8というところ目指してやりたい」と“昨年超え”を誓う。

 昨年のチームには、高校屈指のストライカーで選手権得点王に輝いたFW鈴木章斗主将(3年)がいた。浮き球を確実に胸で収めるなど得点力以外の部分でも違いを生み出し、湘南入りしたFWが抜ける穴は大きいが、「今年のチームはああいう飛び抜けたターゲットがいないので、全員前からプレス掛けて、奪ったボールを前に配給して前への力は重視してやっています」。保田は右SBのレギュラー、今西一志(2年)とともに昨年の経験を伝え、より強いチームにすることを目指している。

 選手権3回戦では“3冠”を達成した青森山田高(青森)に1-3で敗戦。序盤は優勢に試合を進めていたが、オウンゴールでの失点で先攻されてしまう。阪南大高はチャンスを作り返したものの、シュートがブロックされ、またポストを叩く不運も。そして、後半に突き放されて悔しい敗戦となった。

 王者を苦しめることはできた。保田は「チームとして勝てない相手ではなかったかな、って。ボール持つ時間はある程度あったと思うし、FWの鈴木章斗に収まるので攻撃のところなどやれていたと思います」と語る一方、「でも、“ちょっと”の差というのが積み重なってああいう結果になったと思います」と指摘する。

「決定力の差であったり、先制点取っていれば変わったと思うし、守備の堅さとかクリアの部分とかも“ちょっとずつ”差があったかなと」。21年度の高校サッカーを席巻した青森山田相手にもやれた手応えと、差を感じて、新シーズンをスタート。その“ちょっと”の差を埋めることが容易ではないことは理解しているが、個とチームがレベルアップすることで埋めて、王者にも勝つチームになる。

 保田は17日に始まったU-17日本高校選抜合宿に参加。前回の選考合宿では左足のフィードやドリブル突破など攻撃面で手応えを得たが、守備面はよりレベルアップすることの必要性を感じたという。元々は攻撃的なポジションを務めてきた選手。「自分は守備のところがずっと課題やと思っているので、そこは直していきたい」。今回の合宿では、攻撃面に関しても攻撃参加からのアシストや得意のヘッドでゴールに絡むといった「前回できなかったこと」を目指していく。

 チームとは異なる戦い方のU-17高校選抜で少しずつ順応してきているが、自己評価は「まだまだ足りない」。左足クロスや縦突破、ヘッドなど自分をより発揮し、このチームでも輝かなければならない。高い目標を持って、残り3日間の合宿にチャレンジする。

「競り合いとか前に行く力というのは(U-17高校選抜でも)全然優位に立てるというのがあります。ここでも先頭に立つくらいやっていかないとプロも見えてこないのでやっていきたいです」。湘南入りする鈴木からは「『(チームの)中心になってやれよ』と。『(プロで)待ってるわ』、的な」言葉を掛けられているという。自覚を持ち、細部からこだわり続けて個人、チームの目標を達成する。


(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2021

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