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選手権は全5試合フル出場。高川学園の新たな守備の要・岡楓太は抜群の危機察知能力と身体能力兼備

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高川学園高のCB岡楓太は、新たな守備の柱として奮闘

[3.12 中国高校新人大会1回戦 立正大淞南高 1-2 高川学園高]

 インターハイ予選の公式戦デビュー後はBチームにいた。それが、選手権全国大会の登録メンバー入りを果たし、インターハイ3位・星稜高(石川)との1回戦で先発フル出場。半年ぶりとなるAチームでの公式戦出場で勝利に貢献すると、準決勝までの全5試合で先発フル出場を果たした。

 高川学園高(山口)のCB岡楓太(2年=サルパFC出身)は、「選手権でずっと出続けた2年生は自分だけ。ずっとBチームだったし、選手権は脇役でそこまで活躍できなかったので、今年は自分が引っ張っていきたい」。その意気込みを、新チームの公式戦初戦となった立正大淞南高戦で表現した。

 中央突破を掲げる立正大淞南は、立ち上がりからゴール方向へ向けてパス、ドリブルを繰り出してきた。だが、岡はDFラインの仲間たちとチャレンジ&カバーを徹底。特にアプローチ、カバーリング鋭く、球際の強度も高い岡は、相手の抜け出しをブロックしたり、際の攻防で先にボールに触れるなど、印象的な動きを披露していた。

 高川学園の江本孝監督は、岡の特別な危機察知能力を認める。危ないと思えば、自分の持ち場を離れてブロック。そのスピードがとにかく速い。潰しの速さはチームから信頼されている武器で、この日も随所で発揮されていた。

「自分の武器は潰しなので。FWに当たった時に潰してマイボールにすることが武器なので出来て良かった。絶対に1対1のところとルーズボールのところは自信があったので、絶対に負けないという気持ちで戦っていました」。予測とステップを欠かさずにピンチを回避。それでも強力攻撃陣の立正大淞南は仕掛けを繰り返し、シュートまで持ち込んできた。

 岡は後半半ばに接触プレーで足を痛め、チームメートからは一時「×」のサイン。ベンチは交代の準備を急いだが、それでも岡は「どうしてもゴールを守らないといけない」とピッチへ戻り、ゴール前でしぶとく戦って、2-1の勝利に貢献した。

 選手権では先輩CB加藤寛人(3年)の隣で学びながら成長。準決勝・青森山田高戦の0-6も経験している。「立ち上がりに決められてから、格の違いを見せられた。悔しさが大きかったです」。今年、岡は加藤や、日本一のチームを相手にして学んだことを仲間に伝え、自身は一瞬のスピードや強さ、そして危機察知能力を活かしてチームを支えるつもりでいる。

 憧れの存在は、「気持ち強くてヘディングも強いので」という理由で、ともに神戸のDF菊池流帆とDF槙野智章だ。今回の中国高校新人大会はDFリーダーとして連覇に挑戦。「明日からも空中戦だったりはこの大会負けられないので、後ろは任せろくらいの試合をやっていきたい」と誓った。

(取材・文 吉田太郎)

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