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広島工大高が4-0で中国新人初勝利!西京とのパスゲームで多彩なゴール

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後半21分、広島工大高の右WB北田翔星が豪快な右足シュートを決めて3-0

[3.12 中国高校新人大会1回戦 西京高 0-4 広島工大高]

 広島工大高が中国新人初勝利! 12日、第14回中国高校新人大会1回戦が行われ、広島工大高(広島)が4-0で西京高(山口)に快勝。2度目の出場で、中国新人大会初白星を飾った。広工大高は13日の準々決勝で米子北高(鳥取)と戦う。

 広工大高は昨年、広島県新人戦で19年ぶりとなるベスト4。中国新人大会に初出場した。今回は昨年の新人戦、インターハイ予選、選手権予選のポイントで広島上位に入り、2年連続出場。そしてこの日、堂々の中国新人大会初勝利をマークした。

 コロナ禍でともに十分な準備ができていた訳ではない。その中で序盤、西京が押し気味に試合を進める。だが、広工大高は凌ぐと、自信を持ってボールを引き出す10番MF小川瑛慎(2年)を経由したポゼッションにチャレンジする。

 10分には、DF松下修也(2年)の配球から抜群のスピードと跳躍力を備えた左WB野上拓都(2年)が抜け出してシュート。19分には右WB北田翔星(2年)のロングスローに野上が競り勝ち、ボールがファーポストを叩く。

 そして21分、広工大高はMF藤本乃碧(2年)が右中間でFKを獲得。自らキッカーを務めた藤本が、ファー上へ素晴らしい軌道の左足シュートを決めて先制した。チームは中国新人初ゴールで勢いを増す。

 32分、左中間でボールを持った藤本が相手のタイミングをズラして絶品スルーパス。これで抜け出した野上がDFを外して折り返すと、ゴール前で粘ったMF川本翔(1年)が2点目を押し込んだ。

 一方の西京は、この日好フィードを連発していたDF青木亮太(2年)のキックや様々な局面に顔を出してボールに絡むMF内田和輝主将(2年)、1タッチで侵入を試みる左SB野原優斗(2年)、MF森脇雄紀(2年)を中心にボールを繋いで前進。そして、前線では左足のパワーショットとボールキープ光るFW菊本翔太(2年)が存在感を見せる。

 前半は硬さが目立ったが、後半は松井大輔監督が「ボールを大事にしながら、選手たちが判断しながらというサッカーをコンセプトにしてきました」という特長を発揮。ポゼッションする時間を伸ばし、相手にプレッシャーを掛けた。

 また、守備面ではCB佐古翔海(2年)が高さを発揮。ゲームの主導権を握った西京は、セットプレー含めて相手ゴールを脅かす。18分には交代出場MF藤井陽希(2年)の突破からゴール前でこぼれを拾った菊本が反転シュート。だが、流れの良い時間帯に追撃ゴールを奪うことができない。

 逆に広工大高は21分、川本の配球から右の北田が仕掛けてニアサイドへ豪快な右足シュート。これで3点差とすると、26分にも相手のミスを突いた俊足FW近藤葵良(2年)がPKを獲得する。近藤が自ら決めて4-0。西京は試合を通して怖さのあった菊本が積極的に左足を振るなど1点を目指したが、松井監督は「(コロナ禍で練習の制約が多い中、)よく頑張りました。後半は吹っ切れて良さが出てきたけれど、精度やメンタルはまだまだ課題だなと思いました」と語る。球際の強度と声でチームを引っ張った堀中心に最後まで集中し続けた広工大高が、無失点で勝利した。

 就任2年目の広工大高・高木一宏監督は「セットプレーでも取れて、ビルドアップでも取れて、カウンターからでも取れないとどんな相手でも通用しない」と語る。その言葉通りに丁寧なビルドアップやストロングポイントの藤井、野上による左の崩し、速攻など多彩な形からゴールを奪った。

 指揮官はコロナ禍でなかなか県外遠征へ行けない中、「他県の強いチームと緊張感のある70分間の真剣勝負ができる」ことに感謝。中学時代はサブの選手が多いというが、大舞台で好内容のゲームを展開したことは台頭中のチームの自信に繋がりそうだ。

 広工大高は堀がいう「高木先生の見ていて楽しいエンジョイフットボールを僕らは目指していて、本当に攻撃型のチーム。後ろから繋いで自分たちのパスサッカーで崩して点を取るのが僕らのサッカー」を中国大会で強豪相手にチャレンジ。そして、高いレベルでの経験によって成長を遂げ、目標の広島制覇、全国出場に結びつける。

(取材・文 吉田太郎)

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