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[球蹴男児 U-16]大津の新1年生は攻守に強力な注目世代。開幕戦で粘る筑陽学園を4発撃破

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大津高MF小松皐は抜群の突破力を発揮し、1ゴール

[5.3 球蹴男児 U-16D1第1節 大津高 4-1 筑陽学園高 大津町運動公園球技場]

 九州地域のU-16年代において、長期にわたるリーグ戦を通して選手の育成および指導者のレベルアップを図る「2022 球蹴男児 U-16 リーグ」が3日、開幕。上位リーグのDivision1第1節で大津高(熊本)と筑陽学園高(福岡)が対戦し、大津が4-1で快勝した。

 大津は21年度の全国高校選手権で初の決勝進出、準優勝。歴史を塗り替えた世代と入れ替わりで入学してきた選手たちは非常にレベルが高い。CB五嶋夏生がAチームの先発に定着しているのをはじめ、すでに4選手がプレミアリーグデビューを果たしているが、この日はAチーム、セカンドチームの公式戦出場組を除いたメンバーが強さを見せつけた。

 序盤から1年生チームとは思えないような攻守。MF小松皐は「一人ひとりの個人の力を活かすことと全員で攻守の切り替えを意識していこうと言っていました」と振り返るが、攻守の切り替えが速く、ボールを持った各選手たちに余裕があった。

 相手を見ながら正確にボールを動かし、個の強みを発揮。「今日は絶対に点を獲ってやろうと思っていたので1対1の仕掛けと1タッチ、個で剥がすことを意識していました」という小松がドリブル、ワンツー、スルーパスで攻撃にアクセントを加える。身のこなし巧みなMF吉田叶流阿や左SB大神優斗の推進力ある動きも活用して攻め続けた。

 筑陽学園は押し込まれる展開となったが、アンカーのMF眞武駈が「1点でも決めさせたらいけないと思って、みんなで身体を張って」と振り返ったように、攻められても、局面に人数を掛けて集中した守備。眞武やCB淵上聖直、CB中村歩夢中心にゴール前で先にボールに触れたり、最後まで身体を寄せるなど、崩れない。

 そして、奪ったボールを素早く前線のFW石田湊大やサイドへ入れて攻め返そうとするが、前半の大津はCB末松煌生やCB早木弘翔を中心とした守りで相手にほとんど攻撃機会を与えなかった。

 分厚い攻撃を繰り出した大津は41分、SB宗隆希、MF吉岡歩夢の右サイドから押し込む。最後は右クロスをFW山下景司が見事なヘッドでゴール。立ち上がりから怖さを示していたストライカーのファインゴールで先制した。

 その大津は後半に相手オウンゴールと小松の得点で突き放すと、34分にはコンビネーションから左SB大神が左足でゴール。終盤も攻め上がりを続けていたDFも決めて4-0とした。

 筑陽学園も大津同様に交代出場組が先発選手と遜色ない動きを披露。終盤は、FW坂田大和とのコンビからMF川口凌來がシュートを打ち込むなど相手ゴールに迫る回数を増やす。そして44分、MF町田裕紀のラストパスをMF綿屋達政が左足でゴール。意地を見せたが、大津が4-1で白星スタートを切った。

 大津は平岡和徳総監督と山城朋大監督も試合を視察。山城監督は「(今年の1年生は)2チーム分落ちないですね。競争させて」と語り、競争を経てここからさらに進化する選手や、後から這い上がって来る選手の台頭を期待した。

 小松はサガン鳥栖U-15唐津で選手権準優勝メンバーのMF川口敦史(現順天堂大)の後輩に当たる。先輩以上の活躍を目指して進学してきたMFは、「高校3年間で青森山田の高い強度にも負けないような選手になっていきたい。ネイマールみたいなボールを持ったら特別なプレーができるし、観客をワクワクさせられるようなプレーをしたいです。3冠を成し遂げたいです」と目標を語った。注目世代の大津の1年生の目標はリーグ、全国制覇。チャンスを得た選手が結果を残してアピールし、上のカテゴリーで出場するチャンスを勝ち取る。

前半41分、大津高FW山下景司が先制ヘッド

(取材・文 吉田太郎)
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