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[MOM4126]神戸U-18FW冨永虹七(3年)_2発!逆転Vと得点王狙う伸び盛りのエース

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ヴィッセル神戸U-18のエースFW冨永虹七は大量得点が求められる試合で2ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.30 高円宮杯プレミアリーグWEST第5節 東福岡高 0-5 神戸U-18 東福岡高グラウンド]

 延期となっていた前期の東福岡高(福岡)戦は、ヴィッセル神戸U-18(兵庫)が逆転優勝するために絶対に落とせない一戦。得失点差で首位の鳥栖U-18(佐賀)に近付くためにも、大量得点も求められる一戦で、気を吐いたのは来季からのトップチーム昇格が内定しているエースのFW冨永虹七(3年)だ。

 決定力の高さが売りの冨永は神戸U-15時代、チームのエースナンバーである13番を背負っていた。次世代の神戸を担うストライカーとして期待されてきたが、昨シーズンはポストプレーに注力し過ぎた結果、プレミアリーグは4得点。「昨年は悔しい想いをしたので、今年はチームとして優勝を目標にしながら、個人としても得点王を狙ってきた」と振り返る。

 以前はPA内でもパスで逃げる場面が多かったというが、今年は積極的にゴールを狙うためどんどん相手DFへの裏を抜け出し、シュートを放っている。もう一つの変化は守備意識で、「去年よりも前からプレスは意識してやっています。奪い切れる回数も試合をやるにつれて増えてきています」。東福岡は自陣からのビルドアップを狙ってくるチームでもあったため、相手のCBに対し圧力をかけ続けた。

 ファーストチャンスは前半27分。MF片山颯真(3年)、DF村井清大(3年)と繋いだボールから、ゴール前へ抜け出した冨永がシュートを放ったが、惜しくもGKの正面に終わった。28分にDF本間ジャスティンがCKから2点目を奪うと、直後に冨永にとって2度目のチャンスが訪れた。相手のCBによるパス交換が乱れた隙を逃さず、高い位置で奪うとそのままGKをかわしてシュートを決めた。「ちょっと前に外して、獲らないとやばいなと思っていた時にチャンスが来た。前からプレスに行っていたから奪えたゴール」。

 後半も積極的に相手DFの背後と高い位置でのボール奪取を狙い続けた。22分にはFW蘇鉄航生(3年)のスルーパスからタイミングよくゴール前を抜け出し、自身2点目をマーク。「良い形で崩して、蘇鉄からワンタッチで良いパスが来た。後半もその前に外していて、ちょっと危ないかなと思ったけど、上手く流し込めた」。5‐0で終えたチームへの貢献度は高かったが、満足はしていない。試合後の冨永は「今日は相手のラインが高かったのもあるけど、いつもより裏抜けができたけど、逆転での得点王を狙っていたので悔しい。ハットトリックできた試合でした」と口にした。

 この日のゴールで今季12ゴールとし、得点ランキング5位まで浮上。トップに立つC大阪U-18のFW木下慎之輔(3年)とは3ゴール差で、最終節の活躍次第では逆転も十分狙える。思い通りにゴールが奪えなかった昨季からの成長を評価され、11月上旬には約1年ぶりとなる世代別代表も経験。慣れないサイドでのプレーとなったが、きっちり得点をマークした。

 また、今季はトップチームの練習にも度々、参加。スピードや強度の違いに苦しみながらも、ゴールに向かって行く姿勢は存分に出せているという。FW大迫勇也、武藤嘉紀と代表経験豊富な選手の存在も刺激になっており、「武藤選手は優しくて、フレンドリーに喋りかけてくれて嬉しかった。大迫選手は常に相手の嫌な所に立ち続けて、相手寄りのボールでも自分のボールにしてしまう。そういう所は参考にしています」。ステージをプロに移す来年は偉大な先輩たちに負けず、1年目から試合に出て、ゆくゆくはフル代表に入るのが目標だ。

 先を見据えつつ、目の前の目標も忘れてはいない。勝ち点で並ぶ首位・鳥栖U-18次第ではあるが、次節も大勝できれば優勝の可能性は十分ある。伸び盛りのエースは、「チームとして優勝したい。得点王を狙うためにも、得点もどんどん稼ぎたい」と意気込みを口にした。

(取材・文 森田将義)
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