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U17地域トレーニングキャンプ関西に選手権準V・東山CB志津らが参加。敗れたびわこ大戦からよりエネルギーとつながりも

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U17関西FW大薗一柊(初芝橋本高2年)が積極的な仕掛けからシュート

[1.17 練習試合 U17関西 0-3 びわこ成蹊スポーツ大 J-GREEN堺]

「2022 U17地域トレーニングキャンプ関西」が17日と18日の2日間、J-GREEN堺で行われる。17日は強豪・びわこ成蹊スポーツ大と練習試合(35分×4本)を実施。0-3で敗れた。

 トレーニングキャンプには、東山高(京都)の先発CBとして選手権で初の決勝進出、準優勝に貢献し、大会優秀選手に選出されたCB志津正剛(2年)やU-17日本代表CB尾崎凱琉(大阪桐蔭高2年)、昨年から京都橘高(京都)の10番を背負うエースMF西川桂太(2年)ら年代別日本代表入りや将来の活躍を期待される選手たちが参加。この日はU-17日本代表の森山佳郎監督も視察する中、「(この機会は)めっちゃ、チャンスですね。マジで燃えていました」(FW西条将太桃山学院高2年)という選手たちがアピールを狙った。

 びわこ大はいずれもインカレで先発していたMF工藤真人(3年=仙台ユース)や右SB南條斎(3年=初芝橋本高)、CB大橋滉太(2年=C大阪U-18)らAチームの選手たちが出場した。1本目はそのびわこ大にセカンドボールを拾われ続けるなど、U17関西は守りの時間が増える展開に。だが、12分に右SB古川大洋(興國高2年)のインターセプトからMF福永裕也(京都橘高2年)がドリブルシュートへ持ち込む。また、一際ゴールへの意欲を表現していたFW大薗一柊(初芝橋本高2年)がミドルシュートやドリブルシュートを狙った。

 押し込まれる時間が長く、クロスやシュートまで持ち込まれていた。だが、GK塩谷隼汰(興國高2年)が好セーブを見せたほか、「こういう経験ができることは少ないと思うんですけれども、まずは関西のレベルをチームのみんなに伝えて練習のレベルを上げたり、こういう練習をしていたぞと伝えていきたい」という志津が、スルーパスをインターセプトするなど無失点。0-0で35分間を終えた。

 U17関西はメンバー11人を入れ替えた2本目、西川が中心となってボールを前進させ、この日果敢な仕掛けを連発したMF茅野裕太(阪南大高2年)がワンツーからシュートを放つ。だが、チームはラストパスまで持ち込む前にボールを失い、奪い返せないまま自陣ゴール前まで運ばれてしまっていた。

 CB奥村央樹(奈良育英高2年)やCB船越将磨(興國高2年)が食い止めていたものの、18分、相手にサイドから崩されてびわこ大の練習生に先制点を献上。直後にもクロスをMF向田新(2年=野洲高)に決められてしまう。U17関西もFW張間仙太(三田学園高2年)のスルーパスからFW馬場悠平(神戸弘陵高2年)が左足シュート。終盤は強度の上がった大学生に真っ向からやり合う形でMF上條恵大(興國高2年)らが激しいプレーを見せ、プレスを剥がすようなシーンもあったが、得点に結びつけることはできなかった。

 びわこ大は2本目半ば以降に大きくメンバーチェンジ。U17関西は3本目に1本目のメンバーが再出場し、長身ボランチのMF國武勇斗(興國高2年)が自信を持ってボールを受けて動かす。前半12分には、PKのピンチをGK塩谷が阻止。そして、187cmFW西条や20分に投入されたFW今西佑(関西大一高2年)が高さやキープ力を発揮して攻撃を勢いづける。31分に今西がスルーパスで抜け出し、35分には西条がDFを強引に外して右足シュートへ持ち込んだが、得点を奪うことができない。

 4本目は2本目の選手たちが再出場。左サイドで茅野が仕掛けを繰り返し、CKを獲得したり、クロスを上げ切ったりしていた。だが、全体的にボールを大事にし過ぎる面も。なかなか攻め切ることができなかった。

 22分にはミスからロストし、びわこ大のMF高垣佑椰(1年=大阪桐蔭高)とFW芳賀海斗(1年=京都橘高)に崩される形で3失点目。U17関西は終了間際にFW小林嘉人(興國高2年)がDFを外して強烈な右足シュートを放ったが、びわこ大GK岩中翔夢(3年=興國高)に阻まれ、0-3で試合を終えた。

 U17関西は個々が頑張っていたものの、合宿初日でやや遠慮も。負けている展開でリスクを負って前へ出たり、声でチームを鼓舞したり、チームを巻き込むような部分がなかなか出て来なかった。日本代表MF堂安律ら関西出身選手の高校時代も指導している森山監督によると、彼らは常にギラギラした部分を表現していたという。

 それだけに、「一人ひとりが頑張っているけれど、周りの人を巻き込んで行く、引き込んでいくようなエネルギー。『オレが引っ張って、勝利につなげてやる』くらいの気持ちも。森保監督も話していたけれど、もっと『人とつながる』ところが出てくると良いですね」と期待する。

 それぞれが「チームを絶対に勝たせる」という強い気持ちで、味方の選手を巻き込んで、動かして、ボールを奪ったり、スペースを突いて崩したりして行くことができるか。茅野は「個人個人がアピールしつつ、サッカーはチームスポーツなのでもっとそこを意識していかないと良くなっていかないかなと思います。(自身の)2本目やっていて、明日はもっと良くなるなという感覚があったので、そこは明日につながるかなと思っています」。23年シーズンの高校サッカーの主役候補であり、将来の可能性も秘めた選手たち。18日の関西大との練習試合では個々がよりエネルギー、そして「人とつながる」ことも表現する。

(取材・文 吉田太郎)

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