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「拓さんを超えれるようなエースに」。得点王から「9」受け継いだ岡山学芸館FW田邉望が1ゴール

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後半5分、岡山学芸館高FW田邉望(2年=プラシア山口ジュニアユース出身)が右足シュートを決めて3-0

[2.4 岡山県高校新人大会2回戦 岡山学芸館高 5-0 勝山高]

 新チーム初戦の試合前、岡山学芸館高の高原良明監督は背番号9について「アイツが一番ギラギラしていると思いますよ」と語っていた。その言葉通り、FW田邉望(2年=プラシア山口ジュニアユース出身)は誰よりも貪欲にゴールを目指して計6本のシュート。本人は「早く点決めたいという思いが強すぎて」冷静さを欠いたことを反省していたが、流れの中から1点を決めた。

 前半3分に放った右足ボレーはポストのわずかに右外。直後の決定的なヘッドもわずかに右へ外れた。どちらかのシュートが決まっていれば乗れたはずだが、焦りもあって1点を取るまでに時間を要してしまう。それでも、後半5分にミドルレンジからの右足シュートで待望のゴール。先発メンバーとして日本一を経験した選手権はPKによる1点のみだっただけに、弾みをつける1点になりそうだ。

 もちろん、本人に満足感は全くない。「まだまだ、全然。もっと点を欲しいので、選手権王者としてこの県大会は絶対に負けれないので、絶対に優勝して、今年も3冠できるようにしなければいけない」。そのために自分がゴールを。目標とする先輩と同じ「9」を背負うフィニッシャーは、決意を持って練習、試合に臨んでいる。

「今年、9番というエース番号をつけさせてもらって、多分拓さん(FW今井拓人、3年)とかと比べられると思うんですけれども、拓さんはピッチ内、ピッチ外でも僕の憧れの先輩なので、(同じ)9番をつけさせてもらったからには超えれるようなプレーだったり、チームを勝たせるようなプレーをしたいです」

 今井は選手権3得点で得点王(他4人)。国立準決勝で同点ゴールを決め、決勝でも先制点を演出するなどチームを勝たせるプレーをしていた。その姿を近くで見てきたFWは、「今年、僕が試合を勝たせるストライカーになりたいと思っていますし、拓さんを超えれるようなエースになりたいと強く思うので、毎試合、絶対に自分が決めれるようにやっていきます」。田邉は21年のミズノチャンピオンシップU-16 ルーキーリーグ(U-16全国大会)で得点王。ゴール前の鋭い動き出しや野性味あるシュートが特長のFWは、先輩以上の活躍を目指していく。

 チームとしての目標は選手権連覇だ。「日本一取るのは相当難しいことですし、新チーム始まってもっと自覚持ってチームを引っ張っていかないといけないと思いますし、もう一回国立のピッチで感動を味わえるように、もっと練習からみんなが意識できるように声を出したり、プレーで示していかないといけないと思います」。リーダーの一人として、エースストライカーとして新生・岡山学芸館を引っ張り、目標のステージへ導く。

(取材・文 吉田太郎)

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