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一つになってファイトした柏U-18から2点目奪えず。プレミア初参戦の昌平は負けない強さ示すも、開幕2戦連続ドロー

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後半17分、昌平高MF大谷湊斗の決定的なシュートを柏レイソルU-18CB根引翔大(3年)がブロック

[4.8 高円宮杯プレミアリーグEAST第2節 昌平高 1-1 柏U-18 昌平高G]

“高校年代最高峰のリーグ戦”高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023 EASTは8日、第2節1日目の昌平高(埼玉)対柏レイソルU-18(千葉)戦を行い、1-1で引き分けた。 

 昇格1年目の昌平はアウェーの初戦(対FC東京U-18、1-1)を引き分け、この日が初のホームゲーム。前半は高い位置で奪い返し、セットプレーの本数を増やすなど攻守で主導権を握っていた。そして前半23分、MF土谷飛雅(3年)の右クロスをFW小田晄平(3年)が右隅のコースへヘディングシュート。小田の2試合連続ゴールで幸先良く先制した。

 一方の柏は開幕戦で青森山田高(青森)に0-5で完敗。第2節でもリードを許す展開となったが、下を向かなかった。この日、不在の酒井直樹監督に代わって指揮を執った藤田優人コーチが「前節と別人というか、物凄くファイトしてくれたというか、見ていて気持ち良かった」と振り返ったように、柏の選手たちは前向きにファイト。「輪になる」「一つになる」「1+1を3、4にする」ことを求められた柏はこの日、登録外の選手たちもアウェーゲームに駆けつけ、雨の中、良いプレーが出る度に前向きな声でチームを盛り上げていた。

 左SB田村心太郎(3年)やCB池端翔夢(3年)が身体を張って相手の突破を阻むと、ホームチーム以上の喝采。藤田コーチも「外からの声援も選手たちの力になったと思う」と目を細めていた。その柏は攻撃面でも10番MF関富貫太(3年)らを起点にボールを前進させると、FW大木海世(3年)が相手DFラインの背後を強襲。昌平GK佐々木智太郎(2年)のファインセーブに阻まれるシーンやシュートをミスするシーンもあったが、43分、MF青木空斗(3年)のスルーパスで大木が三度抜け出し、右足ループで同点ゴールを決めた。

 昌平は10番MF長準喜(3年)が相手のマンマークにあい、ボールに触れる機会をなかなか増やすことができない。それでも、相手の背後を取る形でチャンス。17分にはMF大谷湊斗(2年)が抜け出すが、柏CB根引翔大(3年)が見事なカバーリングで決定的なシュートをブロックする。昌平は直後にも土谷の斜めのパスでMF前田大樹(3年)が抜け出したが、柏GKハーパー・タイガ・オリバー(3年)がビッグセーブ。柏は、20分にもCB石川穂高主将(3年)に打たれた決定的なヘッドを右SB伊達歩由登(3年)がゴールライン上でクリアした。

 決定機を立て続けにブロックされた昌平。土谷はプレミアリーグの凄さについて、「勝負強さ。去年のプリンスだと先制して追いつかれてもまた点を取れるという力があったんですけれども、追加点が取れないのがプレミアの厳しさかなと思います」と分析する。また、藤島崇之監督は「(ボールは持っていいたが、)PAに入っていない。押し込んだらしっかり守られる。それが(プリンスとの)違いかもしれません」とコメント。DFラインのサポートを受けながら終盤は押し込む時間帯を増やしたものの、得意のドリブルやショートパスで割って入ることができなかった。

 一方、好守を攻撃に結びつける柏は、スペースを活用しながら勝ち越しを狙う。サイドから仕掛けるシーンを増やし、43分には大木が右サイド後方からクロス。これをニアのFW澤井烈士(1年)が右足ダイレクトで合わせる。だが、シュートはニアポストをヒット。こちらも2点目を奪えず、1-1でドロー決着となった。

 柏は気持ちの込もった戦いで勝ち点1を獲得。藤田コーチは「サッカーの技術レベルも上げていかないといけないと思うので、モチベーションを維持しながら。このモチベーションならばどんな練習でも上手くいくと思うし、この気持ち、メンタルを保ちたいと思います」と語った。「まだまだ。彼らの力を考えるともっとやれると思います」(藤田コーチ)というチームは、この日の戦いを次の一週間と次戦に繋げる。

 一方の昌平・藤島監督は2戦連続ドローで負けていないことを評価しつつも、「負けない強さはダメだと思う。勝ち点マイナス2ですから。一つ一つの勝利を求めていかないといけない」と語った。また、GK佐々木は「内容も良い時もありますし、良い戦いもできているのでネガティブになることなく勝つことだけを考えて頑張りたいです。(無失点を目指し、)失点を減らしてなるべく得点も決められるようにチームとしてやっていきたい」と力を込めた。U-16日本代表組もフランス遠征から戻ってくる次節、勝ち切って初白星を飾る。

(取材・文 吉田太郎)
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