beacon

SBS杯で注目度高め、相手の脅威となるも、ライバルたちとは「天と地の差」。藤枝明誠FW遠野翔一は人一倍の向上心を持って成長を続け、目標達成へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

藤枝明誠高の注目FW遠野翔一(3年=ジュビロ磐田U-15出身)が左足シュートを放つ

[9.23 高円宮杯プリンスリーグ東海第13節 藤枝明誠高 3-2 藤枝東高 藤枝総合]

「(年代別日本代表に入る選手は)まだまだみんな足元あって身体も強いという人が多くて、自分は身体が弱くて足元もないという状態なので。シュートとかまだ全然ダメなので、もっと自分に厳しくやって、シュートとかを打っていきたいです。自主練習だったりをもっとやらないといけない」

 静岡ユース(静岡県高校選抜)の一員として出場したSBSカップ(8月)で、U-18韓国代表から決勝点。藤枝明誠高(静岡)FW遠野翔一(3年=ジュビロ磐田U-15出身)はこの日、藤枝東高との藤枝ダービーで勝利に貢献した。

 180cm、72kgのサイズと抜群の跳躍力、左足シュートも魅力のFWは、この日も浮き球を跳躍しながら胸で収め、ヘディングで競り勝ち、推進力のあるドリブルでゴールへ迫るなど存在感のある動き。相手の脅威になり続け、遠野の左足シュートのこぼれ球から2得点が生まれている。

 今年はプリンスリーグ東海ですでに12得点をマークし、得点王争いを演じている。藤枝明誠OBであり、現在川崎FでプレーするFW遠野大弥のいとこ。SBSカップでの活躍もあり、注目度は着実に高まっている。だが、本人は全く満足しておらず、同じ静岡県勢のU-18日本代表FW神田奏真(静岡学園高3年)とも「天と地の差があると思います」。貪欲に成長を目指すことを誓っていた。

 この日のプレーについては、「自分が(前線でボールを)収められなかったので。脅威にはなれたかもしれないですけれども、起点になれなかったので、味方には申し訳ないなという気持ちしかないです」と反省する。序盤に肩を負傷した影響もあったか、普段に比べて競り合いで苦戦。また、後半に足を攣らせるチームメートが続出したことも、「自分は(相手のパスワークに)振り回されていた方なので、チームが攣っているということは自分が走り足りないということ」と首を振る。

 名を上げ、空中戦の競り方などに手応えを感じたというSBSカップも「課題は点を決めることですね。きょうもありましたけれども点を決め切る場面があったにも関わらず、決め切れなかったのは悔しいというか、FWとしては恥に近いんで、今後そういうことがないようにしていきたい」。自分に厳しく目を向け、成長を求め続ける。

 これからシーズン終盤戦。現在3位のプリンスリーグ東海では得点王を獲得し、チームをプレミアリーグプレーオフへ導くことが目標だ。そして、「選手権は優勝を目指してやっていきたい」。この日は味方の活躍で勝つことができたが、今後、強敵との対戦では遠野が決めなければ勝てない試合もあるはず。「自分が有名になるためにも選手権で活躍しないといけないし、大学でもっと上を目指すんだったら自分の身体、体格だったりとか、ゴールへの嗅覚だったりを伸ばしていかないといけない」。目標を達成するために、人一倍の向上心を持って努力を続ける。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●高円宮杯プリンスリーグ2023特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

TOP