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[プレミアリーグWEST]先発10人変更も、彼らが示した戦う姿勢。静岡学園は11日の選手権予選決勝でも自分たちの技術力を発揮し、気持ちで勝つ

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静岡学園高はターンオーバーで起用された選手たちが奮闘。11日の選手権予選決勝へ繋がる戦い

[11.8 高円宮杯プレミアリーグWEST第13節 横浜FCユース 2-1 静岡学園高 横浜FC
・LEOCトレーニングセンター]

 選手権は必ず、勝つ。静岡学園高は8日、延期されていたプレミアリーグWEST第13節で横浜FCユースと対戦。3日と5日に選手権静岡県予選を戦っていたチームは、疲労や怪我を考慮して5日の準決勝から先発10名を入れ替えてアウェー戦を戦った。

 立ち上がりは後手に回ってしまい、2失点。だが、2か月ぶりの復帰戦だったCB大村海心(3年)が、「出ていたメンバーがみんな気持ちを持ってやろうと話し合っていたので。全員、最初以外やれていた」と振り返ったように、U-15日本代表MF山縣優翔(1年)やMF天野太陽(2年)、MF小山顕(3年)をはじめ、各選手がテクニックと運動量で渡り合って見せた。

 特に後半は静岡学園が攻め続ける展開に。後半開始前に主力組で唯一先発したGK中村圭佑主将(3年=FC東京U-15むさし出身、東京V内定)から鼓舞された185cmCB矢澤怜士(2年)がファイトするなど、攻撃面だけでなく守備面でもアグレッシブな戦いを見せた。

 後半7分に大村のゴールで1点を奪い返し、さらにドリブル、パスで狭い局面の攻略にチャレンジ。後期好調の横浜FCユースを幾度もゴール前まで押し込んだ。チームリーダーの中村も1-2の後半19分に味方のミスから迎えた1対1のシーンでスーパーセーブ。「負けている状態であれを決められるか、自分で止めるか、あの1本でチームの流れとか雰囲気も変わると思いますし、それを去年とか止めれなかった中で今年は止めれるようになってきている」。主将は他のシーンでもパスが通れば1点というピンチを足で止めるなど、チームを後押しした。

 普段の出場時間が限られた選手や怪我から復調中の選手が最後まで勝利を目指して戦い、チャンスを作り続けた。1-2で敗れたものの、中村は「最後の最後でああやって押し込んで点を取る雰囲気も出せた。そこは今年の強みだと思う。プレミアでも何試合も最後の最後で逆転とかあったし、誰が出てもやれることを示せた。こういうのは気持ちの部分だと思うので、気持ちの部分をみんな持って出せたところは収穫だと思う」。プレミアリーグWESTで3位につけるチームにとって、この日の敗戦が痛かったことは確か。だが、出場チャンスを得た選手たちが静学らしさを発揮しながら戦い抜いたことについて、指揮官も前向きに捉えていた。

 静岡学園は11日に選手権予選決勝(対藤枝東高)を控えている。この日は、徳島内定の10番MF高田優(3年)ら出場予定のなかった選手権予選準決勝先発組もアウェー戦に帯同。川口修監督は普段サブの選手たちが強敵に立ち向かう姿を主力組にも見せたかったのだという。「後半に関してはやれることをピッチ上で選手たちが表現できているし、決勝に出る子たち見ているから。その戦っている姿勢がしっかりと伝わって、決勝戦でファイトしてもらえれば」と期待した。

 また、中村は「自分のプレーには今日全然満足していないので、選手権に向けて気持ちの部分でも切り替えないといけない」と語り、「とにかく(決勝で)勝って全国に繋げる。県で負けたら本当に何も残らない。3年生は特に理解していると思う。技術は藤枝東もあるし、そこじゃなくて、気持ちのところでどっちが強いかで勝敗がつくと思うので、絶対に全国へ行くという強い気持ちを持って全員で戦えたら勝てるかなと思います」と加えた。決勝ではこの日仲間たちが示したように最後までファイトすること。静学のテクニック、インテリジェンスを全力で表現し、必ず気持ちの強さで上回る。

後半19分、静岡学園高GK中村圭佑主将(3年=FC東京U-15むさし出身、左)が1対1のシュートをストップ

(取材・文 吉田太郎)

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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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