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CB内田輝空ら各選手が集中切らさずに近江を完封。鹿児島城西は選手権予選でも「今日みたいに全員で粘り強く」守って勝つ

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鹿児島城西高CB横山輝人(3年=太陽スポーツクラブ国分U-15出身)がゴール前でクリアする

[12.10 高円宮杯プレミアリーグプレーオフCブロック決勝戦 鹿児島城西高 1-0 近江高 Eスタ]
 
 選手権予選へ向けて弾みをつける完封勝利だ。後半18分にMF芹生海翔(3年)のゴールで先制した鹿児島城西高はその後、ゴール前に押し込まれる時間帯が続いた。だが、技術力の高い相手の攻撃に対してDFラインはスライドを徹底。集中力を切らさずに分厚い守りを続けた。

 また、守りの要であるCB横山輝人(3年=太陽スポーツクラブ国分U-15出身)が「前線の選手が走ってくれたおかげで、自分たちにそんな負荷なく最後の際のところで体を投げ出して守備ができたので、良かった」と感謝したように、前線の選手たちのハードワークも大きかった。

 アクシデントが起きても慌てなかった。横山と同じく守りの要であるCB内田輝空(3年)が、後半残り2分で負傷交代。CB常眞亜斗(2年)が緊急投入されたが、横山は「(不安も)少しはありましたけれども、(常眞とは)たまに(内田)輝空が怪我とかして、夏からたまに一緒にやっていた。(無失点で抑えられた理由は)チーム全体としてよく本当に走って、戦って、際のところちゃんとやって全員で戦えたからって思います」。最後まで自信を持って戦い、1-0で試合を締めた。

 ショートパスでの崩し、ドリブルでゴールを目指してきた近江高を完封。15日から再開する選手権鹿児島県予選へ向けて自信をつける勝利になったようだ。横山は「(選手権予選でライバルとなる)神村学園もこういうサッカーしてくると思いますし、やっぱり今日みたいに全員で粘り強くしっかり走って、声出して、際のところをしっかり戦って守備したい」とこの日のように守り切ることを誓っていた。

 横山はボランチからCBへコンバートされたプレーヤーだ。自信を持つゴール前の守備での守備に加え、前へ出ての守りもレベルアップさせている。本人は「徹底して、もうちょっと自分でも上げていきたい」とさらなる進化へ意欲。攻撃面でも期待に応える意気込みだ。

 この日は横山の左足フィードが決勝点の起点となった。シーズンを通してプレースキッカーを務めるなど右足はチームにとって大きな武器。加えて、「新チーム始まってから 左のCBをするようになって、左も蹴れないとといけないなって思って」磨いてきた左足でも進化を示している。

 選手権予選ではセットプレーでもゴールをもたらす。この日は、PAやや外側からの直接FKを右足で狙ったが、枠外。「小学校からずっとキッカーとして蹴ってきたので。自信はやっぱりあるので、そこは譲れないっていうのもある。自分が外してても、自分のキックが悪いっていう中でも、チームメイトもスタッフも、やっぱり自分に任してくれてるっていう責任感はあるので、そこにやっぱりちゃんと責任を持って決めないといけないなって思います」。九州新人戦準々決勝では直接FKでゴール。その後は公式戦で決めることができていないが、選手権予選で再び決めて全国切符獲得に攻守で貢献する。

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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