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[MOM4563]鹿児島城西MF芹生海翔(3年)_ 藤枝内定MFがプレミア導く2戦連続V弾。日本一MFのエールに応えて次は選手権へ

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後半18分、鹿児島城西高MF芹生海翔(3年=イルソーレ小野出身)が決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.10 高円宮杯プレミアリーグプレーオフCブロック決勝戦 鹿児島城西高 1-0 近江高 Eスタ]

 フィニッシャーとしての才能を覚醒させてきているMFがまた、決めた。MF芹生海翔(3年=イルソーレ小野出身)がプレミアリーグプレーオフ1回戦に続き、決勝戦でも決勝点。鹿児島城西高をプレミアリーグ初昇格へ導いた。

 新田祐輔監督も「ビックリしました。切り返し、切り返しで……」と唸ったゴールは後半18分に生まれた。右サイドのMF石内凌雅(3年)からパスを受けた芹生は横と前方にDFがいる状況から個人技で一人をかわして抜け出す。「全然剥がせたので難しくはない感じでした」。最後はGKの肩上を狙って右足シュートを決めた。

「GKは肩の上が、止めにくいって、(GKの橋口)竜翔に聞いてたんで。横とか蹴るよりは、そこに突き刺した方がいい」と狙い済ました一撃。来季からの藤枝内定を決めている注目MFが、チームに大きな1点をもたらした。

 芹生はプリンスリーグ九州1部で16得点をマークし、日章学園高FW高岡伶颯(2年)と並んで得点王。「(元々)ボランチの選手なんですけど。後期の中盤ぐらいからトップ下をやらしてもらえるようなって。そこからゴールの意識がぐっと上がったなっていう印象があります」と説明する。

 イルソーレ小野(兵庫)では特にドリブルを磨き、今年初めはその武器を活かした動きが印象的だった。だが、今年1年間で明らかに増した推進力とその絶妙なタッチのボールコントロールからドリブル突破、ラストパス、そしてゴールで違いを生み出すようになった。

 ゴール数もプリンスリーグ前期の6得点から後期は10得点。「(182cmのFW岡留零樹、3年という)デカい選手が相棒でいる。ドリブルしやすさもあって、点の感覚っていうのは、掴んできてます」。大分U-18戦の2発や長崎総合科学大附高戦での3発などゴールでチームを勝たせてきている。

 次は選手権だ。「(1、2年時は予選で)負けをずっと見てきてて、もう飽きたので、絶対全国行こうかなと思います」ときっぱり。藤枝では同じく24年からの新加入内定選手で、すでに特別指定選手としてJ2で5試合に出場したMF浅倉廉(拓殖大4年)と選手権についての話をしたのだという。

 浅倉は静岡学園高3年時の19年度選手権で日本一。芹生も静岡学園が0-2から逆転勝ちした青森山田高との決勝を映像で見ているという。「(浅倉は)インハイは全国出てないんですけど、優勝したから、(インターハイに出場していない鹿児島城西も)十分にあるって言ってたんで、(自分にも)チャンスは全然あるかなと思います」。日本一経験者からのエールにこの冬、結果で応えるつもりだ。

 芹生は打倒・神村学園、選手権出場を目指して鹿児島城西へ進学。今年の新人戦の県大会、九州大会で神村学園に勝利したが、本当の勝負は選手権だ。「もうとにかくチームのために走って、チャンスがあれば確実に決めていきたいと思います」。選手権予選でもゴールを決め続け、鹿児島城西にとって7年ぶりとなる選手権切符も勝ち取る。 

(取材・文 吉田太郎)

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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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