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[新人戦]静学の10番狙う1年生MF山縣優翔。冷静に、「ゆっくり」も意識してゲームメーク

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静岡学園高MF山縣優翔(1年=千里丘FC出身)は中盤でテンポを変えた

[1.27 静岡県高校新人大会準決勝 静岡学園高 1-1(PK4-1)浜松開誠館高 愛鷹多目的競技場]

 2年生ボランチは静学の新10番候補だ。この日、静岡学園高MF山縣優翔(1年=千里丘FC出身)は前半、チーム全体が前へ攻め急ぐ中でなかなかボールに係ることができずにミスも。浜松開誠館高のハイプレスに呑まれた静岡学園は、ドリブル、ショートパスを駆使する自分たちのサッカーを展開することができなかった。

 だが、後半、U-15日本代表歴を持つ2年生ゲームメーカーがチームのテンポを変える。プレッシャーのない低い位置へ引いてしまうのではなく、高めの位置へ。後ろから相手が来ても自分が前にボールをつけることを意識してドリブルとパスを繰り出した。

「思い切って前の位置で、間で受けるようにしたら、結構ボールも入ってきて、上手くいい感じにいきました」と振り返る。慌ててボールを動かすのではなく、時にゆっくりとボールをキープ。ドリブルから切り返したり、加速して相手の足を止め、状況に応じて緩急のあるパスを前線やサイドの選手に繫いだ。

「結構、みんなが前、前ってなってる中で、やっぱボランチっていうポジションは常に冷静じゃないといけないと思うし、だから自分はいかに冷静にやるかっていうので、周りにいいボールを配給するっていうのは考えていました。去年、プレミアでやってたっていう経験もだいぶあって、前やったら焦ってすぐはたかないとっていうイメージがあったんですけど、自分の中で、ゆっくりって言ったらあれですけど、余裕を持って、しっかり周りを使えるようになったと思います」

 まずはチームの循環、バランスを取ることを優先。指揮を執った斉藤興龍部長が「ちょっとゴールに絡めるようになったりしたら面白くなってくる。最後もっと怖さが出てくれば」と語るように、武器でもあるスルーパスやシュートの回数も増やしてより“面白い選手”になる。

 昨年は1年生ながらプレミアリーグWESTで先発も経験。フィジカル面の課題もあって選手権で先発することはできなかったが、川口修監督も新チームの軸の一人として期待を寄せる才能だ。山縣は「やっぱ選手権出たかったっていうのは、一番悔しいっていうのがあります。結果とか前に絡む部分が足りなかった」と振り返り、その悔しさも力により信頼を勝ち取る意気込みだ。

「去年、プレミアとかで得点取れなかったんで、得点を取って、(新)2年生とか学年関係なく、自分がチームを勝たせられる選手になりたいって思います」。U-15日本代表で10番を背負った経歴を持つ注目MFには野心も。「やっぱ静学の10番っていうのは特別だと思います。(今年から)つけたいですね」。そのために体作りも意識して取り組んでいる最中。個の力を伸ばし、静岡学園の日本一に貢献することや、2年生のうちに進路を勝ち取るような活躍を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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