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[関東ROOKIE LEAGUE]U-15日本代表MF山縣優翔が違いを見せる動き。攻守で強さ示した静岡学園が2位・西武台を5-0で撃破

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静岡学園高はU-15日本代表候補MF山縣優翔を中心とした攻守で

[9.9 関東ROOKIE LEAGUE Aリーグ第9節 西武台高 0-5 静岡学園高 時之栖うさぎ島G]

 関東・静岡の強豪校の1年生が90分間ゲームのリーグ戦で力を磨く「2023関東ROOKIE LEAGUE」Aリーグは9日、最終節を行い、8位・静岡学園高(静岡)が2位の西武台高(埼玉)に5-0で快勝した。静岡学園は5位でAリーグ残留。西武台は3位となり、U-16の全国大会であるMIZUNO CHAMPIONSHIPの出場権を懸けたプレーオフへ回る。

 西武台は前節まで首位・山梨学院高(山梨)と同勝点、得失点3差の2位。逆転優勝とMIZUNO CHAMPIONSHIP進出を目指して最終節を戦ったが、その前に静岡学園が立ちはだかった。

 静岡学園は2、3年生の感染症拡大によって、この日開催予定だったプレミアリーグWESTなど各リーグ戦が延期。だが、状況が改善した1年生においてはその影響はないという学校判断で「関東ROOKIE LEAGUE」出場が決まった。

 この日はプレミアリーグでの先発が有力視されていたU-15日本代表候補MF山縣優翔が、「関東ROOKIE LEAGUE」で先発出場。「(負ければ9位後退、入れ替え戦出場の可能性もある中、)絶対に勝つというモチベーションで来ていました」という山縣を中心に多彩な攻撃を披露し、西武台を圧倒した。

 前半24分、静岡学園はMF北田優心の左足CKをファーサイドのCB吉田俐軌が左足ダイレクトで合わせて先制。さらに34分には、左中間でボールを持った山縣が右足アウトの絶品パスをFW上田悠世へ通す。「結構こういうパスを自分の特長としているところがある。もっと増やしていけたらと思います」と山縣。これを上田が足裏で落とし、最後は走り込んだMF前田一樹が右足で鮮やかにゴールネットを揺らす。テクニックとアイディアを駆使した鮮やかな崩しで2-0とした。

 西武台はボールを支配される中で受け身の戦いに。前半の飲水タイムには、ベンチからまず戦うことを求められていた。CB高倉大翔らDF陣が相手のドリブルに食らいつくなど踏ん張り、推進力を見せる右SH太田和希の突破からゴール前のシーンも。だが、守勢の時間帯が続いた。

 静岡学園は技巧派の右SB篠塚怜音が攻撃時にボランチの位置へ入り、的確な攻守を続けていたMF四海星南や山縣とともにボールを前進させ続ける。そして、後半16分に北田のループパスから上田が決めると、その後も上田、MF神吉俊之介が加点。試合終盤は西武台の反撃を受けていたものの、GK有竹拓海を中心に封じて無失点で勝利した。
 
 攻守で強さを発揮した静岡学園の中でも山縣は、違いを見せるようなパフォーマンス。トップチームで経験を重ね、プレミアリーグにも出場しているボランチのプレーには余裕があった。簡単にはボールを失わず、随所で奪い返す力も発揮。「(トップチームの3年生に)体格差で負けないために練習とか紅白戦で頭使ってしたりして、スピード感が最近慣れてきて、技術的にも上がってきた」。だが、この日のプレーにも満足はしていなかった。

「今日は得点とアシストという結果の部分が出ていないので、そういう部分をプレミアでも出せたら良いんですけれども、そういう結果にもっとこだわりたいです」。トップチームで、プレミアリーグで活躍できるかどうかが基準。そのために、ドリブルでゴール前へ侵入する動きやラストパス、シュートの精度をより向上させることを誓っていた。

「(トップチームで主力MFの森崎)澄晴君とか(福地)瑠伊君がいる時がチームが活性化されるというか、サイドの選手やFWの選手も前向きの状態で仕掛けられるというのがあって、自分とは技術レベルが違うのがある。そこはもっと頭とか自分は使って、そのサイドの選手とかFWの良い状態の選手に預けて自分も侵入していくことを増やしていきながら、プレミアで出れるように頑張りたいです」

 招集されていたU-15日本代表候補合宿はインフルエンザ明けでコンディション不良のため、辞退。だが、「代表っていうのはずっと選ばれ続けたいし、そこで活躍したらプロとか大学とかからも注目とかしてもらえる」と再招集への意欲を口にする。そのためにも、チームで活躍を続けること。1年生、また上級生と競争しながら武器を磨く。



(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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