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[新人戦]帝京安積は初の東北準Vも10番MF藤沼遥斗は「悔しいです」。課題と向き合い、個人、チームで「もっとできる」ことを示す

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帝京安積高の10番MF藤沼遥斗(2年=ともぞうSCジュニアユース出身)は中盤で運動量を増やした

[1.29 東北高校新人大会決勝 帝京安積高 2-4 尚志高 Jヴィレッジ]

 東北新人大会で初の準優勝。帝京安積高(福島3)は秋田県1位の明桜高、宮城県1位の聖和学園高をCB平野瑛大主将(2年)の2試合連続FK弾などで撃破し、準決勝でもPK戦でGK村上斗粋(2年)が2本を止める活躍によって遠野高(岩手1)を破った。

 各県1位を破って決勝進出。だが、準決勝の約2時間後に行われた決勝では福島県内の大きな壁、尚志高(福島1)に跳ね返された。前半に4失点。攻守に貢献度の高い動きを続けたMF藤沼遥斗(2年=ともぞうSCジュニアユース出身)は、「準決勝まではチーム一丸となって、結構戦えて自分たちより格上かもしれない相手にしっかり競り勝ったりして、良い流れだったんですけど……」と悔しがる。ほぼ同じメンバーで戦い続けてきたことによる疲労が出てしまい、連続失点を喫してしまった。

 それでも、失点の多くはミス絡みのもの。原因は分かっていた。また、ハーフタイムに小田晃監督から厳しい言葉を受けたチームは、後半に巻き返す。開始直後にMF滝沢涼介(2年)が相手の隙を突く形でゴール。8分にも、攻撃の要・FW白坂晴人(2年)が2試合連続となるゴールを決めた。

 小田監督は「6番仲(大和)と10番の藤沼が(この日)2試合目でも、あれだけ走れるんであれば。1試合目もよく走ってましたし、潰せて、ボール受けれていたのでこれは良い発見」と頷く。この後、退場者を出して敗れたものの、チームにとって貴重な4試合になったことは間違いない。

 小田監督は「子供らが凄く頑張ってくれて、セットプレーから取ったりとかっていう中で勝ち上がれたことは自信にもなりますし、その頑張りはちゃんと評価できるところかなと思います」と評価。一方で「勘違いをしちゃいけない」と語り、攻撃の質や選手層の厚みを向上させる必要性を口にしていた。

 藤沼は大会直前に怪我から復帰。体力面や試合勘が戻っていない中での戦いだったという。「本当はもっと足元のテクニックとかで抜いたりしたい。もっと走りたいし、自分はキックが1番得意なんで、そういうところでもっと違いを見せたいです。悔しいです。4試合であんま納得できる試合はなかった」。4試合の経験に加え、「もっとできる」というエネルギーも成長に繋がるはずだ。

 藤沼は「本当に良い仲間」とプリンスリーグ東北で上位進出することを掲げる。そして、「インターハイは今年、(福島県の出場枠は)2枠あるので、チャンスもいつもよりあると思うんで、そういうチャンスしっかり活かしたい」。真摯に今大会で出た課題を見つめ直し、一つ一つ改善して新シーズンで飛躍を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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