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[デンチャレ]シュート12本を放つも、MF名和田の一撃がクロスバーを叩くなど1点奪えず…日本高校選抜は東北選抜と0-0ドロー

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日本高校選抜MF名和田我空(神村学園高2年)がシュートを狙う

[2.27 デンチャレ 日本高校選抜 0-0 東北選抜]

 日本高校選抜は大学生とドロー。27日、第38回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会グループB第1節が行われ、日本高校選抜対東北選抜戦は0-0で引き分けた。28日の第2節で日本高校選抜は関東選抜A、東北選抜はプレーオフ選抜とそれぞれ戦う。

 日本高校選抜は21年から大学生の地域選抜大会であるデンソーカップチャレンジに参戦。前回大会の関東選抜B戦で初勝利をマークし、7位に食い込んでいる。3月末からの欧州遠征、デュッセルドルフ国際ユース大会を前に大学トッププレーヤーたちの強さ、速さ、上手さに挑戦。米澤一成監督(京都橘高)は不足している部分を補い合うなどチームに焦点を当て、「みんなが共通理解を生むようなチームになるところがあれば、もうドイツに行ってもやれるんちゃうかなと思っています」と期待する。

 デンソーカップチャレンジ初戦の対戦相手は、前回大会4位の東北選抜。昨夏の総理大臣杯決勝で決勝点を決めているFW寺崎朋範(富士大3年=佐賀東高)らが先発した。一方の日本高校選抜はGK鈴木将永(青森山田高3年→東海大)、右SB池戸柊宇(京都橘高3年→大阪体育大)、CB小泉佳絃(青森山田高3年→明治大)、ゲーム主将のCB渡邉優空(尚志高3年→立正大)、左SB市川和弥(尚志高3年→東洋大)、MF塩川桜道(流通経済大柏高3年→流通経済大)、MF神田拓人(尚志高3年→早稲田大)のダブルボランチ、右SH松田悠世(桐光学園高3年→法政大)、左SH名和田我空(神村学園高2年)、トップ下・MF芝田玲(青森山田高3年→明治大)、1トップにFW網代陽勇(尚志高3年→早稲田大)という11人で試合に臨んだ。

 前半、東北選抜は右SH須藤栄二(仙台大3年=いわきU-18)が1度2度と右サイドをドリブルで攻略したほか、MF本田真斗(仙台大2年=青森山田高)の左足によって高校選抜を苦しめる。高校選抜も左の名和田がボールを失わない力やチャンスメーク力を発揮。13分には、攻守で精力的に前へ出るなど存在感のあった塩川が右クロスに反応し、ヘディングシュートを放つ。

 また、神田が中盤の底の位置で相手の攻撃を止め切っていたほか、判断の良いパスでゲームメーク。25分には名和田が左サイドで相手DFを鮮やかに抜き去り、折返しを網代が右足で狙う。だが、東北選抜GK藤田弥(富士大3年=成立学園高)がビッグセーブ。また、高校選抜は網代のインターセプトから芝田が右足シュートを撃ち込むが、1点を奪うことができない。

 逆に風下の高校選抜は、ヘディングなどでミスも。東北選抜のCBベベニョン日高オギュステュ祐登(青森大3年=青森山田高)やCB山内琳太郎(仙台大3年=京都橘高)らが着実に遠くへ弾いていたのに比べると、要所のプレーでやや劣る部分もあった。それでも、渡邉が長身を活かした守備を見せたほか、GK鈴木の安定したキャッチングなどによって無失点。0-0で前半を折り返した。

 日本高校選抜は後半開始からNEXT GENERATION MATCHで決勝点の池戸に代え、チームキャプテンの右SB野田隼太郎(藤枝東高3年→早稲田大)を投入。荒れた芝生や強風に苦しんだ高校選抜だが、後半は右サイドを中心に野田や松田、芝田らがテンポよくパスを繋いで狭い局面を打開するなど、取り組んできたことを表現する。

 13分には、名和田のループパスから網代が右足シュート。直後にも塩川のスルーパスから芝田の放った右足シュートが右ポストを叩く。さらに15分には、渡邉の展開から市川が粘って前進し、最後は名和田が小さなドリブルから右足シュート。だが、東北選抜GK藤田の手とクロスバーに弾かれてしまう。

 直後の17分、高校選抜は名和田と網代に代えて左SH杉本英誉(青森山田高3年→桐蔭横浜大)とFW高岡伶颯(日章学園高2年)を投入。高岡が快足を活かしてゴールラインギリギリでボールに追いつき、その落としを芝田が狙うシーンもあった。

 東北選抜も相手の背後を狙った攻撃を見せるが、高校選抜は小泉や野田がインターセプト。カウンターで数的不利になりかけたシーンも神田が的確な守備を見せてピンチの芽を摘んでいた。34分には芝田に代えてMF長準喜(昌平高3年→順天堂大)を送り出し、相手ゴールをこじ開けようとする。だが、シュート数12-4、CK数12-0と大きく上回りながら、東北選抜の粘り強い守りを破れず。0-0で引き分けた。

 高校選抜の米澤監督は「(強風など悪コンディションの影響で)ちょっと我々が想像したとことは違う部分と、これまでなくて『課題や』って話をしていた『取ってから速く行く』っていうところは出てきたので、それは解決できたかなと思うんです。それは良かったなと思う」と振り返った。

 デンソーカップチャレンジは5日間で大学生と4試合を行う。野田は「個人としても、チームとしても、経験を積めるような大会にしていきたいなと思っています」と語る。28日はタレント軍団の関東選抜Aと対戦。米澤監督は「今日出てないフレッシュのメンバーもいる。大体のイメージはあるので、そこでまた戦ってほしいなと思っています。明日もまたやれるんちゃうかなと思っています」。現在23名の高校選抜は、最終18人まで絞って欧州遠征を実施。それぞれが大学生相手に何ができるのかを示し、結果も残す。

(取材・文 吉田太郎)


●第38回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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