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[デンチャレ]日本高校選抜の“守備職人”MF神田拓人(尚志)が大学生からボールを刈り取り、好パスも。盟友のJ1開幕弾の活躍に「自分もやらなきゃな」

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日本高校選抜のMF神田拓人(尚志高3年→早稲田大)が得意の守備で大学生の攻撃を封鎖

[2.27 デンチャレ 日本高校選抜 0-0 東北選抜]

 日本高校選抜の“守備職人”が、デンソーカップチャレンジでも輝いた。MF神田拓人(尚志高3年→早稲田大)が得意の守備で無失点に貢献。「大学生の強度でやれるっていうのは、ほんと楽しみにしていた」という一戦でボール奪取能力を発揮していた。

「相方の(塩川)桜道が結構前めで攻撃の起点を作れてたので、桜道が攻撃に参加している分、自分はほんと守備で頑張らなきゃダメだった。特に守備のところでは意識していましたし、その中で、結構、ボールも奪えましたし、カバーリングなど自分の特長はこの試合、結構出せたかなと思います」と頷いた。

 セカンドボールの回収や奪い返しなど良さが多く出た試合に。「(大学生相手ということで何かを)特に変えたっていうのはなかったんで、多分、今まで通りやれば、自分の特長は出せると思います」。だが、完璧だった訳ではない。中央で入れ替わられてピンチになりかけたシーンもあった、それでも、すぐに切り替えて味方のサポート。サイドへ追い込み、ボールを奪い返すところまで当たり前のようにやり切っていた。

「グラウンド状況もあんまり良くなくて、ほんと敵に付いて行くのが難しい中で、切り替えのところだったり、結構滑って遅れるシーンがあったんですけど、そこは切り替えとか、速くやるっていうのを意識していましたし、ディフェンスの裏だったりも自分がカバーするのが役割だと思ってるので、その点は良かったかなと思います」

 後半、神田が抜かれれば大ピンチになるようなシーンも幾度かあったが、そこでも止め切ってU-19日本代表の実力を証明。加えて、前半は仕掛けに繋がるパスや気の利いたパスを配給していた印象だ。

 これまでは守備のところで頑張りすぎたところもあり、その後の攻撃の質が課題となっていた。「今まではボール取るところだけにいっぱいいっぱいになってしまって、なかなか、ゴールに直結するようなパスを出してなかったんですけど、最近はそのパスのところは、より意識を向けていて、前半で結構、(名和田)我空にパス出せたり、チャンスになるパスは出せたので、そこは良かったと思います」。課題に取り組んできた成果も表現していた。

 盟友から刺激も受けた。尚志の元チームメートで京都へ進んだMF安齋悠人(3年)が25日のJ1開幕戦で初ゴール。後半アディショナルタイムの劇的な同点弾は、史上3人目の高卒新人開幕戦ゴールという快挙でもあった。

 神田は「ちょうどこの選抜の練習中だったんで、生で見ることはできなかったんですけど終わって『決めた』っていうのを聞いて、高校3年間やってきた仲間が、ああいうJ1の舞台で決めているのはほんと刺激を受けましたし、『自分もやろう』っていう気持ちになれました」と微笑む。

 当初、一報を聞いた際は「オレ、(みんなの)冗談かなって。『まさかな』って思っていました」と振り返る。そして、「DAZNで試合見たら、ほんとに決めてたんで(微笑)、いやほんと、『自分もやらなきゃな』って気持ちになりましたし、もう『凄いな』の一言です」。寮生活で多くの同じ時間を共に過ごし、年代別日本代表でもチームメート。その安齋は、大学進学を決断した神田の指標でもある。

「大学の4年間でしっかり成長して大学卒業後に、Jリーグ1年目で活躍できるように、安齋のように点も決めるように。守備だけじゃなくて、大学4年間でしっかり攻撃のところも成長して、Jリーグで活躍できるようにしたい」

 今大会は将来へのアピールチャンスの一つ。「チームの勝利がまず優先ですけど、その中でも、まず自分の特長を発揮して、代表に呼ばれたり、プロの目に留まるようプレーしていきたいと思います。(28日の関東選抜A戦は)まだメンバー分からないですけど、出たら、今日のようにボール刈り取って、味方に繋いで、ゴールに繋がるようなパスを出して、今日の試合以上に、明日は良いプレーをしたいと思います」と誓った。注目ボランチが、自分の選んだ道で成長、活躍をする。

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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