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[高校新人戦]選手権全国4強・関大一、“今年も”予感の勝利

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[1.24 大阪府高校新人大会3回戦 関大一 2-0 此花学院 関大高槻G]

 24日、大阪府下各地で大阪高校サッカー新人大会の3回戦が行われた。関西大学高槻キャンパスの人工芝グランドでは、先の全国高校選手権でベスト4に進出し、一躍その名を轟かせた関大一が登場。此花(このはな)学院と対戦した。

 高校選手権では4-5-1の布陣で戦った関大一だが、「(久保)綾祐くんのような絶対的FWがいない」(梅鉢貴秀)こともあり、この日のフォーメーションは中盤をダイヤモンド型にした4-4-2。GK樫根啓人(2年)、DFは右から田中健太(1年)、水田優輝(2年)、今井亮介(1年)、本郷幸平(2年)、中盤は梅鉢貴秀(2年)を底に置き、右に井村一貴(2年)、左に川崎耕汰(1年)、トップ下に和田紳平(1年)が並び、FWは撫養和也、小畑喜孝(ともに2年)が2トップを組んだ。

 試合は序盤から全国で旋風を巻き起こした関大一が“らしさ”を見せて主導権を握った。有名になった「月まで走れ」の横断幕通り、運動量豊富に選手が動き、セカンドボールを次々と拾った関大一は、此花学院に全く自由を与えず、高い位置で奪っては攻撃を繰り返した。3分には井村、梅鉢が立て続けにバーに当たるシュートを放ち、7分には川崎が決定的な左ボレー。12分にも和田がPA内で仕掛けて惜しいシュートでゴールを脅かすと、19分に梅鉢の左CKを撫養が頭で合わせ、優勢のまま先制した。

 その後も梅鉢を中心に組み立てる関大一は、21分にも追加点。右サイドからのクロスをゴール左で撫養が受け、最後は後方から走り込んだ梅鉢が詰めた。本部席に観ていた関係者の中でも、「4バックだ」「3バックじゃないか」と意見が分かれるほど選手が流動的に動き回る関大一は、相手に付けいる隙を与えないまま、スムーズに2点を奪った。

 しかし、後半になるとこの勢いが消えてしまう。梅鉢が「運動量が落ちてしまった」と振り返る通り、持ち味が見られた前半と同じようにはいかず、次第に此花学院にボールを拾われる展開に。最終ラインからのパスミスも頻出。後半は終始「自分たちからリズムを失った。自滅だった」と佐野友章監督が怒りを露わにする展開で、無得点のままタイムアップを迎えることとなった。

 勝利こそしたものの、前半の良さを継続できず失速した内容に、佐野監督は「もう少しやれると思っていたけど、全然ダメ。ここまで出来ないもののか」と肩を落とした。ただ、高校選手権が終わり、新チームに切り替わってからはまだ2週間で、対外試合もこの日が初めてだったと考えればそれも仕方ない。高校選手権でも活躍した梅鉢や水田、樫根、和田らは成長を感じさせるプレーを見せていたし、高校選手権で負傷した濱野友旗(2年)が戻ればまたチームは変わるはず。「選手権を経験した選手と、新しくメンバーに入った選手の差が大きすぎる」と佐野監督は話すが、まだ1月。4回戦進出を果たすとともに、ここから鍛え上げれば再び好チームができあがるだろうという可能性を示したことは、確かな一歩となるはずだ。

<写真>新チーム初戦を白星で飾った関大一。突破を図る10番の井村(左)と先制ゴールの撫養
(取材・文 永田淳)

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