[総体]帝京、高木の活躍で國學院久我山を下し全国へ
[6.26 全国高校総体東京都予選準決勝 國學院久我山 1-2 帝京]
平成22年度全国高校総合体育大会「美ら島沖縄総体2010」東京都予選準決勝が26日に駒沢第2競技場で行われ、第1試合は帝京が2-1で國學院久我山を下して決勝へ進み全国大会の出場権を獲得した(東京都は加盟登録数の多いため、2校が全国出場)。
キックオフ直後、帝京の出足の鋭さが物を言った。4分、自陣からのカウンターで飛び出したのは、帝京の左MF高木利弥だった。左サイドでボールを受けると、グラウンドの対角へドリブルで一気に駆け上がった。そして相手陣内の右コーナー付近まで持ち込むと、利き足ではない右足でセンタリング。ゴール前で待ち構えたFW小門勇太が胸、太ももでコントロールし、右足ボレーをたたき込み、あっさりと先制ゴールを奪った。
しかし、その後は國學院久我山がペースを奪った。快速FW宮崎準也を生かした鋭いカウンターと、長身FW原之園卓也へのロングボールで相手を下げさせ、両サイドDFが広くポジションを取るとボランチのMF山内浩道を起点に自由度の高いパスワークを披露。ポゼッションを高めていくと、31分に右CKがファーサイドへ流れたところを2年生の左MF白瀧秀斗が決めて同点とした。
ところが、前半の終了間際に試合の流れを変えるプレーが生まれた。ロスタイム、左CKを得た帝京は、空中戦のこぼれ球をMF高木が左足ダイレクトボレーで鮮やかに突き刺し、勝ち越しに成功。この1点が國學院久我山の反撃ムードに水を差したのは間違いなかった。後半は、コンタクトプレーで圧倒する帝京が主導権を奪い返した。いずれも決め切れなかったが、13分、17分、18分と帝京のMF庵原栄が続けざまにシュートを放ち一方的な展開へ持ち込んだ。國學院久我山は長身の2年生FW室井晃希を投入し、サイドからのセンタリングで勝負に出たが実らず、帝京がシャットアウト。結局、2-1のまま試合は終了した。
帝京の廣瀬龍監督は「前半のロスタイムに運良く2点目を取れたが、力は互角。フィジカル的にうちの方が少し鍛えられていたということ。今年のチームは、昨年の(全国高校)選手権に出たメンバーが多く残っていて昨年のチームより素質はあるけど、彼らが軸になりきれていない。まだ精神的に弱いやつばかり。『恥をかいてでもうまくなりたい』という気持ちがない。今日は湿度の高くしんどい試合で、そういう中で厳しいゲームを取ったということは成長してくれたのかなとは思うんだけど」と、手放しで全国大会出場を喜ぶことなく、あえて教え子たちに苦言を呈した。
全国大会は目標の一つとなるが、あくまで最終目標は冬の(高校)選手権。潜在能力の高さは、この日の高木のプレーからも十分に感じ取れるが、ポテンシャルを最大限まで引き出すべく、帝京の挑戦は続く。
(取材・文 平野貴也)
平成22年度全国高校総合体育大会「美ら島沖縄総体2010」東京都予選準決勝が26日に駒沢第2競技場で行われ、第1試合は帝京が2-1で國學院久我山を下して決勝へ進み全国大会の出場権を獲得した(東京都は加盟登録数の多いため、2校が全国出場)。
キックオフ直後、帝京の出足の鋭さが物を言った。4分、自陣からのカウンターで飛び出したのは、帝京の左MF高木利弥だった。左サイドでボールを受けると、グラウンドの対角へドリブルで一気に駆け上がった。そして相手陣内の右コーナー付近まで持ち込むと、利き足ではない右足でセンタリング。ゴール前で待ち構えたFW小門勇太が胸、太ももでコントロールし、右足ボレーをたたき込み、あっさりと先制ゴールを奪った。
しかし、その後は國學院久我山がペースを奪った。快速FW宮崎準也を生かした鋭いカウンターと、長身FW原之園卓也へのロングボールで相手を下げさせ、両サイドDFが広くポジションを取るとボランチのMF山内浩道を起点に自由度の高いパスワークを披露。ポゼッションを高めていくと、31分に右CKがファーサイドへ流れたところを2年生の左MF白瀧秀斗が決めて同点とした。
ところが、前半の終了間際に試合の流れを変えるプレーが生まれた。ロスタイム、左CKを得た帝京は、空中戦のこぼれ球をMF高木が左足ダイレクトボレーで鮮やかに突き刺し、勝ち越しに成功。この1点が國學院久我山の反撃ムードに水を差したのは間違いなかった。後半は、コンタクトプレーで圧倒する帝京が主導権を奪い返した。いずれも決め切れなかったが、13分、17分、18分と帝京のMF庵原栄が続けざまにシュートを放ち一方的な展開へ持ち込んだ。國學院久我山は長身の2年生FW室井晃希を投入し、サイドからのセンタリングで勝負に出たが実らず、帝京がシャットアウト。結局、2-1のまま試合は終了した。
帝京の廣瀬龍監督は「前半のロスタイムに運良く2点目を取れたが、力は互角。フィジカル的にうちの方が少し鍛えられていたということ。今年のチームは、昨年の(全国高校)選手権に出たメンバーが多く残っていて昨年のチームより素質はあるけど、彼らが軸になりきれていない。まだ精神的に弱いやつばかり。『恥をかいてでもうまくなりたい』という気持ちがない。今日は湿度の高くしんどい試合で、そういう中で厳しいゲームを取ったということは成長してくれたのかなとは思うんだけど」と、手放しで全国大会出場を喜ぶことなく、あえて教え子たちに苦言を呈した。
全国大会は目標の一つとなるが、あくまで最終目標は冬の(高校)選手権。潜在能力の高さは、この日の高木のプレーからも十分に感じ取れるが、ポテンシャルを最大限まで引き出すべく、帝京の挑戦は続く。
(取材・文 平野貴也)