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[全国総体]日本一5度の国見vs.V候補筆頭の流経大柏は「持久戦」制した流経大柏が快勝!

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[8.2 全国高校総体2回戦 国見 0-3 流通経済大柏 具志川多種目球技場Aコート]

 注目対決は流通経済大柏(千葉1)が快勝! 平成22年度全国高校総合体育大会「美ら島沖縄総体2010」は2日、2回戦16試合が行われ、16強が決まった。うるま市の具志川多種目球技場Aコートでは全国高校総体優勝5回の国見(長崎)と今大会優勝候補筆頭の流通経済大柏が激突。流経大柏が3-0で快勝し、米子北(鳥取)と対戦する3回戦へ駒を進めた。

 「真夏の持久戦」を制したのは初戦で8ゴールを挙げるなど、圧倒的な戦力を有する流経大柏だった。試合序盤は互いが相手を警戒してやや大雑把ともいえるサッカーに終始した。それでもシンプルな縦パスからでも決定機をつくり出してしまうのが両校の強さ。国見はそのロングボールのほとんどを流経大柏のハイタワー、増田繁人主将に弾き返されていたが、それでもセカンドボールの攻防を制してDFラインの背後にボールを落とすとスピードのあるMF東矢祐仁やFW柴田隆太朗が一気にサイドをえぐった。

 ただ、個人の能力では流経大柏の方が上。大型アタッカー吉田眞紀人らが個人で国見の守備網に風穴を開けたほか、2列目から飛び出してくるMF進藤誠司やMF富田湧也のスピードとテクニック、強さの前に国見ディフェンス陣は危険な場面をつくり出されてしまう。

 そして勝敗の差となったのは走力だ。「インターハイは体力勝負。国見も鍛えられていると思うけれど、(選手たちは)相手(の運動量)が落ちたところで上手く点を取ってくれた」と流経大柏の本田裕一郎監督。肉体的にも精神的にもキツい時間帯だった前半終了間際、DFラインのギャップを突いて角度をつけたランニングをしたFW田宮諒へ吉田から絶妙なラストパスが入る。10分前にビッグチャンスをミスゴールへ沈めて先制点を奪った。

 そして後半半ばの17分にはセットプレーのこぼれ球を拾ったMF古波津辰希が相手の逆を突いて左サイドから一気にPAへ侵入。このギアチェンジについていけなかった国見DFが痛恨のファウルを犯してしまうと、吉田にPKを決められて2点差となってしまった。

 流経大柏は「国見の2倍走れ!」のゲキの通りに富田と古波津のダブルボランチが試合を通してハードワークを徹底するなど、運動量で相手を上回り、後半は国見をシュートわずか1本に抑えた。そして26分には進藤のラストパスから途中出場のMF石井克仁がダメ押し、強豪対決を快勝した。流経大柏の増田主将は「国見の練習量はすごいと聞いているけれど、自分たちもインターハイへ向けて2度の合宿で3部練をやってきた。国見は最後まで走ってきたけれど、走りでは負けたくなかった」。31度の気温と沖縄特有の厳しい陽差しの中で行われた「真夏の持久戦」は、練習量にも自信を持つV候補、流経大柏が走り勝った。

(取材・文 吉田太郎)

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