[9.20 全日本ユース選手権決勝T1回戦 広島ユース7-1C大阪U-18 西が丘]

　高円宮杯第21回全日本ユース(U-18)選手権は20日、決勝トーナメント1回戦を行い、西が丘サッカー場では広島ユースがC大阪U-18に7-1で快勝した。前半18、25分にMF岡本洵(18)の連続ゴールで2点を先行すると、前半ロスタイムにC大阪の選手が退場。数的優位に立った後半もMF早瀬良平(18)の2得点などで5点を追加した。10月3日の準々決勝では流通経済大柏高と対戦する。

　立ち上がりから中盤でのせめぎ合いが続いた試合は互いになかなかシュートまで持ち込めず、こう着状態が続いた。それでもピッチを広く使ったワイド攻撃から局面局面では高い技術で細かくパスをつなぐ広島が徐々に流れを引き寄せる。すると、前半18分に最初の決定機。左サイドのMF浅香健太郎(17)から早瀬を経由して右サイドのMF砂川優太郎(18)へ展開すると、砂川は自ら縦に仕掛け、DFをひとりかわしてゴール前にクロス。これをフリーの岡本が頭で叩き込み、先制点を奪った。

　前半25分にも右サイドの砂川からMF野津田岳人(16)とつなぎ、野津田のスルーパスに岡本が抜け出す。GKとの1対1を落ち着いて右足で流し込み、広島が2-0とリードを広げた。

　中盤のビルドアップもままならないC大阪はなかなか相手ゴール前まで迫れない。ダイヤモンド型の中盤でMF夛田凌輔(18)を左サイドに置いた4-4-2でスタートしたが、リードを許したことで選手の配置を変更。夛田を中盤の真ん中に置き、3トップ気味の4-3-3で反撃を狙った。

　ところが、前半ロスタイムにMF田中慶太(17)が2枚目の警告を受け、退場。2点ビハインドの上、数的不利となり、前半を折り返した。

　これで試合は完全に広島ペースに。流動的なポジションチェンジで相手を惑わすパスサッカーは10人のC大阪を翻弄し、後半は一方的なゴールラッシュとなった。

　後半10分、DF脇本晃成のスルーパスにFW川森有真(17)が抜け出し、右足でシュート。GKの弾いたこぼれ球を早瀬が左足で押し込み、3点目を奪った。同17分には砂川が直接FKを決め、4-0。さらに同23分、ボランチの位置から飛び出した早瀬が川森とのワンツーでPA内に進入し、左足で自身2点目を決めると、同28分にもMF平田惇(16)が野津田とのワンツーから豪快な左足シュートを叩き込んだ。

　0-6と大差を付けられたC大阪も後半31分に相手のパスミスを奪った夛田がゴール前のMF秋山大地(16)にラストパスを送り、意地の1点を返したが、広島は後半ロスタイムに途中出場のMF藤井貴之(17)が川森のスルーパスから7点目を決め、試合を締めくくった。

　森山佳郎監督は「最後、大人になりきれず、きっちり締められなかったのは反省しないといけない」と、終盤に1失点を喫した集中力の欠如を指摘する一方で「そのあとにもう1点突き放せたのはよかった」と最後まで攻め抜いた姿勢を評価していた。たとえ失点してもリスクを冒して2点、3点を狙いにいく攻撃サッカー。この日は相手に退場者が出たとはいえ、グループリーグからの4試合で18得点を記録した爆発力を武器に6大会ぶりの頂点へ突き進む。

<写真>前半25分、広島ユースのMF岡本洵が右足で2点目を決める

(取材・文　西山紘平)

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