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[MOM322]桐光学園MF篠崎拓也(3年)_「どんな形でも」大苦戦制すV弾でチームの目覚ます

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.19 全国高校選手権神奈川県大会2回戦 桐光学園 2-1 三浦学苑 桐蔭学園G]

 決着をつけたのは桐光学園MF篠崎拓也(3年)のヘディングシュートだった。1-1で突入した延長戦の前半6分だ。2年生MF佐野弘樹の右クロスをスカイブルーのユニホームの背番号7が頭で合わせると、シュートはゴール左隅へと吸い込まれた。

 「セットプレーでも何でもとにかく自分が決めようと思っていた。キレイな形での勝利ではなかったけれど、よかった」と語った篠崎。ただし、決勝ゴールを決めたヒーローの表情に笑顔はなかった。「1回戦の橘戦も良くはなかったけど、ボールは回せていた。でもきょうは前から来る相手に消極的になってしまった。ゴールするためにボールを回したり、というのがなかった。いずれ入るだろうと思ってしまっていた」と猛省。ポゼッションするだけでなく、テンポをあげる場面が少なく、相手の急所をつくパスもわずかな100分間だっただけに、「どんな形でも点をとれるようにしていきたい」と力をこめた。

 後半終了とともにFW菅原慶人主将がピッチを去り、キャプテンマークを左腕に巻いてのプレー。自分が何とかしなければならないという思いは高まっていた。こんなところでは負けられない。逆にその思いが強すぎたために、チーム全体から「勝とう」という意思が弱まってしまっていたのかもしれない。その中で誰より果敢にゴールを狙った篠崎が大苦戦した試合に決着をつけた。

 「昨年は高円宮杯で勝ってなめてたというか、勝てるという気持ちがあった」。その結果が武相に敗れての決勝敗退。今年は同じ轍を踏むわけにはいかない。篠崎は自ら決めた決勝ゴールで自身に、そしてチームにもカツを入れた。

(取材・文 吉田太郎)

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