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新生・F東京U-18が5発発進

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[1.30 東京都クラブユース選手権決勝L F東京U-18 5-0杉並FCユース 小平]

 30日、平成22年度第12回東京都クラブユースサッカー(U-17)選手権大会決勝リーグA組で、昨年度の全日本ユース(U-18)選手権とJユースカップで準優勝したFC東京U-18が登場。杉並FCユースと対戦し、5-0で快勝した。F東京は2月6日、リーグ最終戦で同じく1勝の横河武蔵野FCと対戦。引き分け以上で2月11日の決勝へ進出する。

 現日本代表GK権田修一を擁した06年度にJユースカップで決勝進出して以降、毎年必ず1回は全国大会決勝の舞台を踏んでいるほか、トップチームに好選手も輩出し、近年のユース世代を代表する存在となっているF東京。その11年公式戦初戦は5発発進となった。
 
 F東京はトップ下の位置に入った注目の大型MF橋本拳人、昨年急成長したCB小林聖弥、182cmの長身左SB村松知稀といった昨年からのレギュラー組中心に4-2-3-1システムを組んで試合をスタート。U-17日本代表候補合宿からチームに合流したばかりのMF野沢英之とキャプテンマークを巻いたMF山口泰志を中心にボールを動かし、序盤から圧倒的にボールを支配したF東京はMF岩木慎也とMF湯浅寿紀の突破力も生かして相手の守備網に穴を開けようとする。

 だが11人全員の守備意識が高く、自陣で徹底して守備を固める杉並FCを攻めあぐねた。野沢のダイレクトパスやキープ力の高い橋本、岩木を起点とした攻撃を見せるものの、大きな展開がなかったことに加え、DFラインの背後を狙う動きも少なく、またパスの呼吸が合わない場面も頻発するなど、4バックの前にポジションを取ったMF太田基有やCB北條貴弘を中心に安定した守りを見せる杉並FCを攻略することができなかった。

 それでも25分、F東京は好守を見せていた杉並FCを一撃で沈黙させる。ゴール正面左寄りの位置でFKを得ると、岩木が得意の右足無回転FKをゴール右隅へ突き刺した。ようやく先制に成功したF東京はさらに40分、右CKからのトリックプレーで相手のマークを外すと山口の右クロスを1トップの1年生FW斎藤涼汰が左足ダイレクトでゴールへと押し込み2-0。また小林と石原良将の両CBを中心に相手をシュートゼロに封じて前半を折り返した。

 後半は先発落ちした09年U-16日本代表FW岩田拓也が発奮。投入直後の後半1分、09年U-16日本代表の右SB吉田一彦の右クロスに頭から飛び込みゴールを破ると、29分にはカウンター攻撃から湯浅のスルーパスで抜け出し、GKをかわして2点目のゴールを流し込んだ。そして39分には途中出場のMF二瓶翼の左CKから橋本が豪快な左足ボレーを決めて5-0。DF陣は連係ミスから杉並FCのFW斉藤裕輔、MF秋元義裕にシュートまで持ち込まれる場面があったものの、得点を許さずに初陣を飾った。

 チームに緩んだ様子は全く見られない。09年U-17W杯日本代表のSB廣木雄磨やCB松藤正伸、MF武藤嘉紀ら攻守にハイレベルだった昨年越えを目指す1年。昨年1年間全国舞台で場数を踏んできた選手たちが名を連ねるが、倉又寿雄監督が「(昨年以上の成績を残すことができるのか)本人たちも不安に思っている印象がありますね」と明かすなど、スタッフ・選手ともに例年以上の努力が必要だということを認識している。

 先制ゴールを決めた岩木は初戦について「パスをつなごうとしていたけれど少しズレたりコミュニケーションが取れていなかった。FWはキープできていないし、DFもちょっとしたミスがある。これからなくして昨年より強いチームにしたい」。ユース年代を代表する名門は新3年生中心に1年間通してどこまで変わることができるか。

[写真]MF岩木(右)の先制FKなどF東京U-18が5発勝利
(取材・文 吉田太郎)

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