beacon

[クラブユース選手権]杉本&端山が小6で誓った「ヴェルディで一緒に全国制覇」を涙の実現!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[7.31 日本クラブユース選手権(U-18) 東京Vユース1-0神戸U-18 ニッパ球]

 小学校6年生のときの約束が6年越しで果たされた。連覇を達成した東京ヴェルディユースのキャプテンを務めるMF杉本竜士と背番号10を背負うMF端山豪。かつて、府ロクSCでプレーし、ジュニアユースの進路で東京VとF東京で迷っていた杉本を「俺らの代で一緒にヴェルディで全国制覇しよう」と誘ったのが端山だった。

「あいつ(端山)がいなかったら、俺はここにいなかった。豪が一緒に全国取ろうぜって言ってくれたから、今ヴェルディで日本一になれた」と杉本は明かした。小学生のとき、トレセンで2人は出会った。当初、端山はチームから杉本を東京Vに誘うように言われていただけだったが、ともにプレーするなかで「もっと一緒にサッカーがしたい」と強く思い始めたという。そして全国制覇の夢を話すと杉本も強く共感。東京Vに入団を決めた。

 そして高校3年生になり、最上級生となった2人は東京Vユースの主力選手として成長。杉本はキャプテンとして、端山は伝統ある緑の10番を背負うことになった。チームをまとめるために、3年生全員で一致団結しては話し合いを重ねた。そんな中でキャプテンとして、どうあるべきか悩み続ける杉本を支えていたのは端山だった。
 
 今大会のグループリーグの最終戦で、柏U-18に0-2の敗戦。決勝トーナメント進出は、その後の試合結果に左右される“他力本願”となった。試合を終えて、宿舎に戻った杉本は敗戦の悔しさから、他会場の試合を見に行くことを拒んだという。すると「まだ終わってねーだろ。お前が行かないでどうすんだよ」と端山が一言。今大会では腰の故障で、思うようにプレーができず。それでも痛みをこらえて戦っていた10番の言葉は杉本の胸に響いた。「腰が痛いのに必死に我慢して走っていたし。いつも豪は自分がキャプテンとして、どうするべきかを教えてくれる」と杉本は当時のことを思い出し、感極まって涙した。

 約束は果たされたが、故障の影響で不完全燃焼に終わった端山は「優勝して嬉しいけど悔しい大会。自分は全然何もできてないから、これじゃあ、竜士くんとの約束が違う。ここから頑張ります」と力を込めた。もちろん杉本も、今回のタイトルだけで満足してはいない。「プレミアリーグの初代王者になりたい」。ヴェルディを日本一にするという強い思いを胸に、早くも2人は今季2つ目のタイトル獲得を誓っていた。

(取材・文 片岡涼)
▼関連リンク
第35回日本クラブユース選手権(U-18)大会

TOP