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[プレミアリーグイースト]“崖っぷち”の名門・F東京U-18、3発勝利で降格圏脱出!

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高円宮杯U-18サッカーリーグ2011 プレミアリーグ イースト
[12.4 高円宮杯プレミアリーグイースト第17節 三菱養和SCユース0-3FC東京U-18 西が丘]

 崖っぷちのFC東京U-18が残留圏内浮上! 高校年代の全国リーグ、高円宮杯U-18サッカーリーグ2011 プレミアリーグイーストは4日、第17節を行い、ともに降格圏内の9位・三菱養和SCユースと10位のF東京U-18の東京勢が激突。F東京U-18がU-17W杯日本代表MF野澤英之の先制ゴールとCB石原良将の2ゴールにより3-0で勝ち、残留圏の8位へ浮上した。プレミアリーグイーストは11日に最終節を行い、全日程を終了する。

 負ければ降格が決定してしまう後のない戦い。F東京U-18が今季ベストととも言える内容で残留へ大きく前進した。前節までリーグ2番目に少ない20失点ながらもリーグ最少の14得点という決定力不足が影響して最下位。昨年は全日本ユース選手権とJユースカップで決勝へ進出し、一昨年はJユースカップで全国制覇、そして3年前は日本クラブユース選手権優勝と近年は毎年のように全国大会で大暴れし、プリンスリーグ関東では3連覇を果たすなどユース年代を代表する名門だが、今年はJユースカップ予選で敗退するなど苦しい1年となっていた。

 浦和ユースを3-1で沈めるなど素晴らしい試合をする一方で、勝ちきれない試合が多く、勝ち点を重ねることができなかった。MF山口泰志主将は「(成績が出せなくても)いつかは『何とかなる』という雰囲気でした。でもJユースでも敗退して。プレミアだけは残留して終わりたい。ボクからも言ったし、みんなでミーティングをして。この2試合のことだけを意識して、どんなサッカーをしても勝つしかないと考えていました」。必死の思いがF東京に勝ち点3をもたらした。

 トップチーム昇格内定のU-18日本代表MF橋本拳人と山口のダブルボランチ、野沢をFW岩田拓也と2トップに配置したF東京だが前半15分に攻撃のキーマン、MF二瓶翼が負傷退場するアクシデント。暗雲が漂ったが、それでも23分、岩田のスルーパスで抜け出した野沢がGKとの1対1を左足で決めて先制する。

 三菱養和はMF島田雄平がクロスバー直撃のミドルシュートを放つ場面もあったが、前線から追い回してくる相手のプレッシャーと中央に構える橋本の壁を破れず、なかなかつないで攻めることができない。またキープ力を活かして起点となる野沢を中心に攻める相手のリズムを奪い取ることができなかった。ただ絶対に負けられない三菱養和は後半開始から名古屋グランパス加入内定のU-18日本代表MF田鍋陵太主将と10番MF川崎圭亮を同時投入。負傷のために45分間限定出場の田鍋は「小3の時から養和でやってきた。残留して恩返ししたい」と同点ゴール目指してフル回転する。後半2分には左CKから田鍋が頭でつなぎ、CB富田将司がゴール至近距離から決定的な左足シュート。だが、これをGK谷俊勲にブロックされると直後の4分、痛過ぎる2点目を失ってしまった。

 F東京は左中間からMF福森健太が放り込んだ左FKをPA中央でコントロールした石原が左足でゴールへと流し込み2-0へと突き放した。養和は田鍋が守備に回ることが多く、なかなか仕掛けることができない。ボールが入っても相手SB鴨池陽希に厳しく当たられるなど自由を奪われたまま時間が過ぎてしまう。逆に相手の縦への攻撃を石原と小林聖弥の両CBが封じたF東京は36分、再び左中間からのFKを今度はファーサイドへ走った石原が頭で合わせて3-0。7試合ぶりとなる白星で三菱養和、尚志高(福島)をかわした。

「ここで意地を見せないといけない。(でも選手たちは)硬くなっているというのはなかった。悔いの残らないように思い切ってやっていた」とF東京の倉又寿雄監督。そして逆転優勝を狙うコンサドーレ札幌U-18との最終節へ向けて「ウチも勝てば残れるところまで来た。勝ちにいかないといけない」。山口も「勝てば必ず残留できる。自力で残留したい。意地でも勝って終わります」と宣言。ホーム、深川で戦う最終戦、F東京は札幌の夢を砕き、プレミアに残留する。

(取材・文 吉田太郎)


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