beacon

[選手権]V候補・山梨学院は静岡遠征無敗で全国へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

 第90回全国高校サッカー選手権の優勝候補にも挙げられている山梨学院。予選では不調だったエースFW白崎凌兵主将(3年)のコンディション向上とともに、明らかにチーム状態が上向きとなっている。元清水エスパルスヘッドコーチの吉永一明監督は「白崎が特別な存在であることは変わらない。ただ、より白崎を活かすことには『自分が力を出すこと』という部分が他の選手たちにも理解でき始めている。今は白崎と周りの選手がお互いに良さを活かそうとしている。みんながチームが勝つために何をすべきか考えている」と口にする。これまでは白崎頼みだったチームの変化。白崎が不調だった山梨県大会はU-18日本代表GK山田修平やCB藤原光晴、MF萱沼優聖、MF荒木克仁(すべて3年)らチームメートたちの奮闘があったからこそ優勝することができた。県大会での優勝をきっかけに「もし白崎が不調でも問題ない」という彼らの自信がチームをひとつ逞しくしている。

 23日に国士舘大と行った練習試合では白崎が試合開始直後に相手選手の激しいチャージによって口元を負傷し、数針縫う大怪我。24日からの静岡遠征で白崎の状態は万全ではなかったものの、選手権出場校4チームとの練習試合をA・Bチームともに無敗で切り抜けた。白崎も佐賀東との最終戦では後半に迫力十分な突破で相手守備陣を切り裂き、直接FKでゴール。またDF新潟谷勇人(3年)の復帰した守備陣は佐賀東に攻略される場面はあったものの、最後までも集中した守りを見せていた。ディフェンスラインの柱である藤原は「堅守と言われるほどではないけれど、守りの部分はできてきている。遠征でいいシュミレーションができた。大会では先に失点しないように考えたい」と力を込めた。

 目標とするのは2年ぶりの日本一。本命不在と言われる中、有力候補の山梨学院はどのような戦いを見せるのか。手ごたえはある。萱沼は「遠征でいろいろなスタイルのチームとやれて勉強になった。そのいろいろな相手に対して常に自分達の攻撃ができるようになっている」と攻撃力への自信を口にした。また白崎が「ウチは後半の最後落ちなかったし、ポジティブなところが出ていると思う」と語ったように、走力を活かして後半に相手との差をつけているゲームも目立つ。目標は優勝だけ。昨年度優勝の滝川二を兵庫県大会で打ち負かしてきた市立西宮との注目対決を制して最高のスタートを切る。

(取材・文 吉田太郎)

TOP