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新チームわずか1敗の習志野が劇的ゴールでV!:千葉新人戦Aブロック

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[2.4 千葉県高校新人大会Aブロック決勝 習志野1-0東京学館浦安 八幡球]

 4日、平成23年度千葉県高等学校新人サッカー大会のブロック決勝が各地で行われ、八幡公園八幡球技場(市原市)のAブロック決勝では習志野と東京学館浦安が激突。FW吉田友輝(2年)の決勝ゴールによって1-0で勝った習志野が優勝した。

 習志野は第90回全国高校サッカー選手権の市立船橋日本一を最も悔しい思いで見ていたチームかもしれない。同千葉県予選準決勝で市立船橋と対戦した習志野は、前半から10人での戦いとなっていたが、後半30分過ぎまで1-0でリード。だが、あとわずかのところから追いつかれて延長戦で敗退していた。市立船橋戦でフル出場していた187cmCB藤原直哉(2年)は「あとチョット頑張れば、という気持ちがあった」と振り返るが、悔しさを胸にスタートを切っている新チームは、始動時期こそ違うものの、高校選手権ベスト4の尚志(福島)との練習試合を5-0、6-1で連勝するなど今だ対外試合は1敗のみ。主将のDF廣瀧公佑(2年)と山口国体少年男子優勝GKの佐々木祐紀(2年)が体調不良のため欠場したこの日は水庫祥元監督が「もう少しちゃんとつないで、幅を使って攻めたかった」と言うように東京学館浦安の鋭いプレッシャーに手こずって不満の内容だったが、それでも期待の世代は白星を離さなかった。

 東京学館浦安はキャッチングから素早く前線へライナー性のキックを配給するたGK大矢駿介(2年)が攻撃の起点となり、FW大久保翔太とFW諏訪晃平(ともに2年)の2トップが切り替え速くスペースへと飛び出してくる。また身体の強い左SB山本圭太や10番MF龍竹史哉(ともに2年)をポイントに習志野に対抗。習志野は相手に合わせた形でロングボールが増えてしまい、本来のボール回しができない。攻撃の軸である10番MF安芸銀治(2年)、FW吉田もキープ力こそ見せるものの、周囲とかみ合わず攻撃が停滞。決定機をつくることができないまま前半を終えてしまう。

 それでも後半、体調不良の影響でベンチスタートだったMF櫻田常聖(2年)をボランチに入れ、吉田をトップ下から最前線へと移行した習志野はサイドを効果的に使い出し、左SB大坪煕史(2年)の好クロスなどを決定機につなげた。一方の東京学館浦安も相手のミスを突くと、アンカー役のMF渡辺翔太郎(2年)の中央突破などで押し返す。ただ後半24分には抜け出したMF橋爪貴弘(2年)がGKをかわすが左足シュートはゴールの外へ。また35分にはFW岡本翔太(2年)のスルーパスから諏訪がGKと1対1となったが、習志野はGK宮内勝哉(2年)がビッグセーブでチームを救った。

 苦戦を強いられた習志野。それでも試合終了間際の後半38分、カウンターで好守の東京学館浦安をようやく仕留めた。速攻から中央突破したMF越智和也(2年)が右サイドを駆け上がったMF小川康太(2年)へはたくと、そのクロスボールをファーサイドの吉田が右足ダイレクトボレー。これがゴール右隅へ決まり決勝ゴールとなった。

「個々の能力は昨年よりもいいと思う」と評価する指揮官は「(市立船橋に敗れた)あの試合を忘れずにできるかどうか」と期待する。藤原は「市船みたいに1点取ってからの気迫が足りない。一昨年も延長で市船に負けているし、最後のところを突き詰めてやっている」。好ゲームが続いてきた中で、この日は苦しい試合も乗り越えた。習志野は悔しさを忘れずに成長して「市船のように全国優勝したい」という目標に挑戦する。

[写真]後半38分、吉田(9番)の決勝ゴールを喜ぶ習志野イレブン
(取材・文 吉田太郎)

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