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東京Vユースが10発勝利!!3戦29得点と圧巻の攻撃力みせ決勝へ:東京都クラブユース(U-17)選手権

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[2.5 東京都クラブユース(U-17)選手権 東京Vユース 10-0 横河武蔵野FCユース ヴェルディG]

 平成23年度第13回東京都クラブユースサッカー(U-17)選手権大会の上位リーグ(2B)・最終節が5日に行われた。ヴェルディグラウンドでは東京ヴェルディユースと横河武蔵野FCユースが対戦。クラブユース(U-18)選手権を連覇中の東京Vユースが10-0と貫録の勝利を収めた。東京Vユースは11日に西が丘サッカー場で行われる決勝戦で、天皇杯東京都予選出場をかけて、三菱養和SCユースと激突する。

 東京Vユースはクラブユース選手権連覇へ導いた楠瀬直木監督が昨季限りで退任し、今季からは前トップチームコーチの冨樫剛一氏が監督に就任。また、退任した中村忠コーチに代わり、昨季までトップチームでプレーしていた菅原智氏がコーチ陣に加わった。指導者は代わったが、今シーズンもチームとしての目標は変わらない。冨樫監督は「公式戦を勝つことはもちろんですが、この中から何人の選手が今シーズン中にトップチームの試合に出られるレベルになれるか。あくまで上(トップチーム)で通用するかどうかが基準になる」と話した。ここ2年で9人の選手がトップチームに昇格。今シーズンも、あとに続く選手が出てくるか。そこに焦点は定められている。そのなかで個人の成長がチームの成長につながり、結果が残せるのが理想の形だ。

 この日の試合では、MF吉野恭平(2年)とFW中島翔哉(2年)がトップチームに帯同しているため不在。それでもFW前田直輝(2年)が3戦連発&ハットトリックの活躍をみせ、FW高木大輔(1年)も3戦連続弾。安在兄弟(和樹、達弥)のコンビプレーなど、数々の見せ場をつくり、横河武蔵野FCユースを圧倒した。

 立ち上がり、東京Vユースは3-5-2システムを採用。ポゼッションで上回り、試合の主導権を握るもなかなかゴールが生まれない。それでも前半37分、MF山口陽一朗(1年)からのパスに抜け出した高木がトラップでGKをかわして、ゴール正面から冷静に右足シュート。高木の3戦連発弾で先制に成功した。さらに同42分、高木が左サイドで落としたボールからDF安在和樹(2年)が攻め込む。正確な左クロスに正面のFW菅嶋弘希(1年)が合わせ、ヘディングシュート。左足首の故障で離脱していたFWが国体ぶりの先発起用に応え、ゴールを決めた。前半を2-0で折り返す。

 後半に入ると、東京Vユースがさらに勢いを増した。後半11分、左CKからのファーサイドに流れたこぼれを展開。PA左から山口がシュートを決め、3点差に突き放す。同16分には安在が追加点。同32分には山口のシュートが相手DFをかすめ、ゴールネットへ吸い込まれた。そして、33分には安在兄弟がゴールを演出。前田の右クロスを兄・和樹が折り返し、最後は弟・達弥(中3)が押し込んだ。6-0と大量得点を奪った。

 そして、ここからは前田の独壇場。後半37分、39分、43分と圧巻のハットトリック。7分間で3得点と爆発し、9-0に差を広げる。終了間際の45分には獲得したPKをMF楠美圭史(2年)がゴール右に冷静に決め、10-0と試合を締めくくった。

 11日に行われる決勝戦では三菱養和SCユースと対戦する。奇しくも昨季、優勝のかかったプレミアリーグ最終節で対戦し、敗れた相手だ。目の前でプレミア残留を決められ、自分たちはあと一歩のところで優勝を逃した。前田は「去年と自分たちのメンバーも違うけど、相手も違う。絶対に借りを返したい」と誓い、「去年は雪のなかでの決勝でF東京に負けて、目の前で『We are 東京』と言われた。今年は自分たちが優勝したい」と話した。菅嶋も「天皇杯に出ると社会人と試合ができるので、いい経験になる。個人としてもチームとしても上にいきたい。去年の成績を上回れるよう頑張りたい」と力を込めた。

 MF杉本竜士やFW南秀仁ら攻撃の主力メンバーが抜けたものの、今大会では3戦29得点と圧倒的な攻撃力をみせている。高木が「今年は全部の大会でタイトルを取りたい。まずは週末の試合で勝たないといけない」と意気込んだように、まずは今季最初の公式戦でタイトルを獲得し、新シーズンに弾みをつけたい。

(取材・文 片岡涼)

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