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[ミズノカップIN高知]モリシ絶賛のファイナル!香川西が九州国際大付破り初V!

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[4.1 ミズノカップIN高知決勝 香川西3-1九州国際大付 春野陸]

 Jクラブユース、高校などの有力16チームが出場した「ミズノカップU-18 IN 高知2012」は1日午後、春野総合運動公園陸上競技場で決勝を行い、香川西が3-1で九州国際大付に勝利。初優勝を飾った。なお、大会MVPには香川西のDF小田光(新3年)が選出された。

 表彰式のプレゼンターを務めた「モリシ」こと元日本代表MF森島寛晃氏(セレッソ大阪アンバサダー)が「すごくいいゲームでした。お互いに自分たちのいいところを積極的に出していましたし、球際も公式戦と言える激しさが出ていました。何より両チーム一丸となって戦っているところが見ている方としても、とてもいいものを見させてもらいました。両方のチームが今年いい活躍をするのではないかと凄く感じました」と驚いていたが、ともに準決勝でJユース勢を破ったチーム同士の決勝戦は互いが激しく攻め合うダイナミックな展開となった。

 先制したのは香川西だ。前半11分、右CKのクリアボールを拾ったMF井上実人(新3年)がすぐさまクロスボール。これを左SB片山洋輝(新2年)が頭でゴール左隅へ流し込んだ。だが九国大付はわずか4分後の15分、SB宮本昂拓(新3年)の右クロスをコントロールしながらディフェンスラインの前に出たFW中野愁(新3年)が、右足で同点ゴールを流し込む。ブロックをしっかりとつくって、Jスカウトも評価するFW阪本翔一朗(新2年)やMF佐々木雄帆(新3年)が仕掛ける香川西に対して、九国大付は抜群のキープ力を持つ中野をポイントに各選手が長い距離を走ってゴールへ押し寄せる“九州らしい”パワフルな攻撃を繰り出した。

 準決勝終了から2時間弱で行われた決勝は、疲労を考慮して互いに主力数人をベンチに温存していたが、勝負の後半へ向けて主力組を次々と投入。オープンな撃ち合いが繰り広げられた。特に九国大付は決定機を連発。5分にMF久山翔太(新3年)の右クロスからFW為近海(新2年)が決定的なシュート。7分には中野がPAへドリブルで侵入し、最後はMF井壮陵(新3年)が左足シュートでゴールを狙う。さらに9分にも右サイドを抜け出したMF竹内航輝(新3年)の折り返しから中野が決定的な右足シュート。10分にも中野と為近の2トップのコンビからビッグチャンスが生まれた。
 
 だがリードを奪ったのはGK田中大貴(新2年)の好守などで耐えた香川西だった。後半15分、MF片倉冬威(新3年)の左CKからCB上原周平(新3年)が右足で勝ち越しゴールを突き刺す。再三の決定機を活かせずに勝ち越された九国大付は、竹内が立て続けに右サイドを破るなど再び盛り返したが、香川西は「昨年全国を経験して自信がついた。相方の特長が分かってきた。互いが信頼関係築いてやっている」という小田と上原のCBコンビやGK奥村がゴール前で九国大付の選手にボールを触らせない。

 攻め切れなかった九国大付に対して香川西は後半32分、再び片倉の左CKから、今度はファーサイドでボールを受けた阪本が右前方への動きでマークを外して勝負を決定付ける3点目をゲット。香川西イレブンは表彰式後に森島氏と一人ひとりが握手し、記念写真に納まるなど優勝を喜んでいた。

 今年の香川西はFW近藤義剛やMF金沢裕平、MF箱崎裕也(全て新3年)ら1年生から公式戦で経験を積んできた世代が最上級生となった。3月中旬から続いていた遠征ではセットプレーから得点することができなかったというが、この日はセットプレーから3発。C大阪U-18を完封した堅い守備と鋭い攻撃もレベルの高さを証明した。大浦恭敬監督は「子どもたちの自信になれば一番大きい。(今年の過去最高の)選手権ではベスト8を目指します」。強豪を撃破して頂点に立ったミズノカップ優勝チームの2012年に注目だ。

(取材・文 吉田太郎)
ミズノカップIN高知2012特設ページ

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