beacon

[プリンスリーグ]東京2冠の昨年越える大型チーム、関東一が佐野日大に3-0勝利:関東2部

このエントリーをはてなブックマークに追加

[5.19 プリンスリーグ関東2部第7節 関東一高3-0佐野日大高 江戸川陸]
 
 JFAプリンスリーグ関東2部は19日、第7節1日目の3試合を行い、暫定3位・関東一高(東京)と5位・佐野日大高(栃木)との一戦は関東一がMF小川絢生(3年)の先制ゴールとMF大村俊道(3年)の2発によって3-0で快勝。暫定2位へ順位を上げた。

 初参戦のプリンスリーグ関東2部で上位につけている実力はホンモノだ。小野貴裕監督が「ウチはボールを持てないと、どのカテゴリーでも試合に出れないですから」という関東一はFC東京とジェフユナイテッド千葉などが注目する190cmGK渋谷飛翔(3年)や184cmCB星清太主将(3年)から前線まで個性派のタレント並ぶ大型チーム。狭い局面をDFも絡めたパスワークとドリブルで崩す巧さを見せる一方で、再三50mの距離を走りぬいていた右SB佐藤碧(3年)らがダイナミックな攻撃でビッグチャンスを生み出す。

 前半6分に佐藤のオーバーラップからMF竹本佳(3年)が決定的な右足シュートを放つと、11分には竹本、MF鵜川怜(3年)がDF間に連続してパスを通してFW田中ヨシ(3年)が決定的な右足シュート。12分にはヒールキックを交えたアイディア溢れる崩しから再び竹本が決定機を迎えると、13分には佐藤のアーリークロスに田中が決定的な形で飛び込んだ。

 佐野日大の守護神、岩井脩馬(3年)の驚異的なセービングの前にシュートがことごとくゴールの外へはじき出されたものの、関東一は慌てることのない、風格ある戦いぶり。足技優れる星をスイッチ役に抜群のスピードを誇る小川や好調続く竹本らが多彩な攻撃を披露したのに加え、カウンターから弾丸ライナーのボールを敵陣にまで飛ばしていた渋谷の驚異的な強肩が会場を沸かせていた。

 ただ佐野日大は球際が非常に厳しいチーム。多少距離を離されてもあきらめずにプレッシャーをかけ、足を伸ばし、相手のパスに触れてマイボールにしてくる。勢い余ってやや危険なプレーになっていた場面もあったが、ひたむきにボールを追って前半終盤はリズムをつかんでいた。MF中嶋勇斗(3年)の力強いドリブルやFW伊藤駿佑(3年)のロングスロー、そしてMF佐藤和馬(3年)とMF折橋翔太(3年)を交えたカウンター攻撃には威力も。ただ星が1対1を止め、MF字羽井アハマド(3年)が鋭くボールの出所を潰す関東一は悪い流れでも決定機をつくらせない。
 
 そして後半2分、左サイドから切れ込んだ竹本からのパスが中央の田中を経由してファーサイドでフリーの小川の元へ。これを小川が右足で冷静に先制ゴールを沈めた。ようやく先制した関東一はその後も攻撃意欲の強いアタッカー陣が前がかりになってゴールへと押し寄せていく。佐野日大が押し返した時間もあったが、クロスがわずかに届かないなど同点に追いつくことができない。逆に関東一は後半38分、カウンターからSB山崎健之郎(2年)が右サイドへ展開すると、縦を突いた竹本の折り返しを攻撃参加した佐藤が強烈な右足シュート。こぼれ球を大村が右足で押し込んで2-0へ突き放す。そしてロスタイムにも字羽井が獲得したPKを大村が左足で決めて3-0で快勝した。

 同じく大型チームとして期待された昨年は関東大会予選と東京都1部リーグを制したものの、選手権予選決勝(対東久留米総合)でPK戦の末に無念の敗退。全国にあと一歩のところで届かなかった。それだけに今年歴史を変えることができるか。渋谷は「今シーズンは出だしはいいゲームができなかったけれど、シーズン重ねていくうちにいいゲームができるようになってきている。今年はインターハイ、選手権と全国出て、あとプリンスリーグで後輩達のために1部へ上げたいと思っています」と宣言。まずは6月17日に初戦を迎える全国総体予選。星は「個人の能力では去年に負けていないと思っている。インターハイ前最後の公式戦で、前からガツガツ来て、蹴ってくる東京によくあるようなチームにしっかりと勝ててインターハイに臨めるのは大きい」。全国に出場すれば、上位進出の可能性も十分。まずは東京突破に全力を注ぐ。

[写真]後半37分、関東一MF大村(中央)がチーム2点目のゴール
(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
2012 プリンスリーグ
2012 プリンスリーグ関東2部

TOP