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[プリンスリーグ]得意のカウンター炸裂!桐光学園が暫定首位浮上:関東1部

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[5.19 プリンスリーグ関東1部第7節 桐光学園高3-0川崎F U-18 しんよこフットボールパーク]
 
 JFAプリンスリーグ関東1部は19日、2位の桐光学園高(神奈川)対4位・川崎フロンターレU-18(神奈川)戦を行い、桐光学園が3-0で快勝。桐光学園は暫定首位へ浮上した。

 桐光学園得意のカウンターアタックが炸裂した。序盤から川崎F U-18にボールを支配された桐光学園だったが、0-0の前半33分、右サイドでFW市森康平(3年)がキープすると、中央へはたいたボールをMF松井修平(3年)が「サイドバックが寄せてきていたのでダイレクトで狙った」と間髪入れずに1タッチで左MF有田和明(2年)へ展開。ポッカリと空いた左サイドを独走した2年生MFはそのまま左足で先制ゴールを叩き込んだ。

「ユースは上手いです。ウチはこうしなければ生き残れない」と佐熊裕和監督は苦笑するが、桐光学園は磨いてきたカウンターで毎年のようにJクラブユース勢に黒星をつけてきている。全国高校選手権16強メンバーの多くが残る今年もすでに“格上”のF東京U-18、千葉U-18を撃破。どうしても押し込まれる時間は長くなっているが、それでもポジショニング優れるU-18日本代表DF諸石健太(3年)とDF大田隼輔(3年)の両CBはともに前に強く、相手にゴール前で決定的な仕事をさせない。また速く攻めることも意識しているために中盤がディフェンスラインに引き込まれることはなく、再三危険なゾーンまでボールを運ばれても4バックがしっかりと相手の攻撃を封鎖。市森とFW野路貴之(3年)の2トップが前線で健闘していたこともあり、一度攻撃に移れば、同じ神奈川県川崎市に位置する川崎F U-18を後退させていた。

 川崎F U-18はMF小口大貴(3年)を中心に丁寧なポゼッションから、“危険人物”のU-16日本代表MF三好康児(1年)らが攻撃をスピードアップさせようとする。だが、桐光学園のブロックには入り込んでも、相手の粘り強い守りの前に決定的な崩しをすることができない。先制された直後にはシュートがポストを叩くなど得点できず。逆に桐光学園は10分、右スローインから交代出場のMF菅本岳(3年)がPAへ飛び込んできた松井へパスを通すと、マークを振り切った背番号10がそのまま右足シュートをゴールへ流し込んだ。

 桐光学園は後半18分にもカウンターから菅本が右サイドを独走。最後はDFを引き付けて出されたラストパスを野路が右足で決めて3-0へ突き放した。川崎F U-18はベンチから「(ボールを)持たされているんだぞ!向こうの嫌なところはどこだ!」「1点とって意地を見せろ!」とゲキが飛ぶ。交代出場のMF岡本一輝(2年)のラストパスからMF岡田優季(1年)が決定的な右足シュートを放ち、MF児玉翔太(3年)の左CKからFW相馬健一朗(2年)がヘディングシュートへ持ち込むが、諸石が「きょうはいい守備ができた。守備のボクらが崩れたらチームが崩れてしまう」と責任感強い守りを見せる桐光学園から最後まで1点を奪うことができなかった。

 3-0で勝った桐光学園は暫定首位浮上。いい形でプリンスリーグの中断期間に入った。6月には全国高校総体予選が控えている。昨年全国出場を逃している総体だが、激戦区のプリンスリーグ関東1部で優勝争い繰り広げている今年は全国での上位進出、日本一も期待される。特に昨年はライバルの桐蔭学園が日本一に立っているだけに闘志に火がつかないわけがない。ただ大田は「今年プリンスリーグで桐蔭に負けている。甘くない。練習から突き詰めていかないといけない」。好成績にも油断は見られない。短い時間でも成長を遂げ、諸石が「全国で自分たちの力を見せないといけない」と話す目標を絶対に果たす。

[写真]後半10分、桐光学園MF松井のゴールで2-0
(取材・文 吉田太郎)
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