beacon

[大学選手権]中京大エース・齋藤、タイトルとともに熊本入りへ

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.26 全日本大学選手権準決勝 高知大1-2中京大 平塚]

 「貪欲になった」エースが決勝での爆発を誓った。ロアッソ熊本加入内定の中京大FW齋藤和樹(4年)は今大会1得点。10年ぶりの決勝進出を懸けた準決勝はシュート1本に終わり「きょうはあまりいない感じでした」と苦笑い。一方で後輩のストライカー、藤牧祥吾(3年)は3戦連発と絶好調なだけに「決勝ではふたりで取れたらいい。結果を出したい」と“V弾宣言”した。
 
 カミソリのように鋭いドリブルからゴールを陥れる齋藤は、下級生時から中京大の1トップを務めてきた。そして全日本大学選抜候補にも選出。ただ「今年1年で一番変わった。練習で走り込みが増えて、試合でも『できる』という自信がついた」と胸を張る。そして大きく変わった点は「欲が出てきたこと」だ。

 静岡の名門・清水商時代は中盤、SBといろいろなポジションを務めた。3年時には高速ドリブルで一部から注目される存在になったが、淡々と毎日を送る中でチームのコーチングスタッフから伝えられたのは「マリノス(横浜FM)から練習参加のオファーがあったけど断った」ということ。加えて告げられたのは―オマエには欲がないからだ―。

 だが今は違う。貪欲な姿勢は4年間で技術以上に一番変わったところ。ゴールを奪うためには長い距離を自ら持ち込んでシュートを放ち、結果にもこだわる。
 全国制覇まであと1勝。「日本一を取れるチャンスはある。決勝にはロアッソのスタッフも見に来てくれると思う。裏へ抜け出したり攻撃の起点になれるように頑張る。結果を残さないといけない」。清水商の大先輩であるMF藤田俊哉は熊本を退団することが決まったが、期待の新人ストライカーは日本一という勲章を引っさげて熊本入りする。

(取材・文 吉田太郎)
第59回大学選手権特集

TOP