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横浜FM・大黒が移籍初ゴール、「出たらいい仕事をしたい」

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[5.3 J1第9節 浦和0-2横浜FM 埼玉]

 横浜F・マリノスのFW大黒将志が移籍初ゴールを決めた。1-0の後半ロスタイム、中盤でMF小椋祥平が競り合いから粘って出したボールに反応。PAから飛び出してスライディングしながらクリアしようとしてきたGK山岸範宏を交わして無人のゴールへ沈めた。裏への飛び出しという『武器』を披露。名刺代わりの一発となった。

「小椋が頑張ってくれたんでね。冷静に、慎重に入れた。みんなが頑張ってつないだので、決められて良かった。監督からは点を取ってこいと言われた。使ってもらえてうれしかった」

 開幕の名古屋戦(1-1)は先発したが、4月23日のJ再開・鹿島戦(3-0)はベンチ入りはしたものの、出番はなかった。18歳のFW小野裕二に先発を奪わた形だ。同29日の清水戦も同様に出番なし。元日本代表でセリエAでもプレーした点取り屋は試合に飢えていた。

 この日は0-0の後半20分から小野裕二に代わって途中出場した。「自分の特徴は裏を突くことなので、それを繰り返すことを狙っていた」という大黒は同38分、カウンターからドリブルで仕掛け、永田との1対1からシュートまで行った。これはGK山岸にセーブされたが、ひるまなかった。「あれもいい感じで切り返してシュートまでいけた」と体が動いていることを確信したという大黒。その後も持ち味を活かそうと裏を狙い続け、最後の最後でゴールを決めた。執念が実った。

「これからもチャンスが来たら決めたい。出たらいい仕事をしたいですね。勝利に貢献できるように頑張りたい」とフォア・ザ・チームを強調した大黒。昨年は横浜FC→FC東京と1年間で2つのクラブを渡り歩き、それぞれリーグ戦12得点、同7得点と結果を出した。しかし、年俸面や移籍金などの問題があり、結局は保有権を持つ東京Vから横浜FMへ完全移籍することになった。

 横浜FMは、やっと見つけた“我がクラブ”ともいえる。それだけに“自分のために点を取る”ではなく“チームのために”という思いが今まで以上に強い。次戦7日はホームで福岡と対戦する。今度は先発の可能性もある。大黒は「アビスパは昇格してきたチームで、カウンターでくると思う。集中して戦いたい」と意気込んでいた。

[写真]横浜FMのFW大黒(中央)。移籍初ゴールに笑顔を見せた

(取材・文 近藤安弘)

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