beacon

[大学MOM_7]明治大DF松岡祐介(1年)_日本一DFの大学挑戦

このエントリーをはてなブックマークに追加

[大学マン・オブ・ザ・マッチ]

[4.30 関東大学サッカー1部第4節 中央大 0-1 明治大 埼玉スタジアム第3G]

 チーム合流からわずか1ヵ月足らずの1年生CBが昨年度日本一の中央大攻撃陣の前に立ちはだかった。明治大のDF松岡祐介(1年=広島皆実高)は1月に行われた全国高校選手権で広島皆実高(広島)を初の日本一へ導いたCB。そのDFは中央大戦で2試合ぶりに先発すると、得意のヘッドで相手の縦パスを跳ね返したほか、最終ラインの統率役として強豪を完封してみせた。

 チームは前節・慶應義塾大に7失点。その様子をベンチで見つめていた松岡は何を徹底するべきか試合前からしっかりと思い描いていた。「慶應戦ではやられている点がはっきりしていた。うまくボールを回されたけど、最後のくさびのところでボールをとること。後半はプラン通りにできた」。声を張り上げ、先輩選手たちを鼓舞し続けた松岡を明大・神川明彦監督は「松岡は1年生だけど、もう10年いるような顔してやっている。本当に『DFの人』でDFに関する考え方、捉え方も持っている。あの年齢にしてはすごい」と絶賛していた。

 入学直後にいきなり出場機会を与えられている松岡だが、「正直言ってレベルが高くてこのチーム(明大)では4年生になって出られるかどうかと思っていた。不安だらけだった」と明かす。高校日本一に就いたとは言え、高校と大学は全く違うレベル。練習でもポゼッションできず、スピードも周囲の選手たちに劣る自分が果たして通用するのか。だが出場した2試合はいずれも勝利。「がむしゃらにやるだけ」と臨んでいる姿勢が結果に結びついている。
 チームのディフェンスをコントロールすること、そして空中戦の強さが武器のDFの今年の目標は「1年間試合に出続けること。でも試合に出られなくなったときでも腐らずにやりたい。出られなくなった理由が必ずあるはずだから。そこを見極めてコツコツやっていきたい」。一歩一歩。速度は遅くても必ず「進化」する。信頼されるDFになる。焦るつもりはない。

(取材・文 吉田太郎)
 

TOP