beacon

[大学選手権]悪天候の死闘、関東勢対決は専修大に軍配

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.20 大学選手権準々決勝 明治大1-2専修大 BMWス]

 第62回全日本大学サッカー選手権の準々決勝が20日に行われた。Shonan BMWスタジアム平塚の第2試合は関東勢対決となり、リーグ王者の専修大が延長戦の末に明治大(関東3)を2-1で下し、4強進出を決めた。20日の準決勝では大阪体育大(関西1)と対戦する。

 試合を終えた専修大源平貴久監督の第一声は「天気が悪すぎましたね」だった。

 曇天模様の中で始まったゲームだが、次第に天気は下り坂。前半20分過ぎからは雹まじりの雨が叩きつける最悪の天気となった。「今日は風ですね。前半は特に風下であったので(苦しみました)。とにかく環境でした」(源平監督)。やや小雨になった前半40分に専修大はMF長澤和輝(4年=八千代高)が直接FKを狙うが、これはクロスバーに嫌われてしまった。

 いったん止んだかに思えた雨だが、ハーフタイムを終えたころには再びピッチを叩きつけていた。だがついに後半20分、ゲームが動くことになる。

 専修大はFW仲川輝人(3年=川崎F U-18)がエリア内でためると右サイドから駆け上がったDF北爪健吾(3年=前橋育英高)にパス。「走れば何かあるかなと思って走りました」。北爪がシュート性のクロスを上げると、防ぎに入ったDFに当たってゴール左隅に収まった。「7対3くらい(の割合でシュート)だった」と語った北爪の積極性が専修大に先制点をもたらした。

 しかし明治大も意地を見せる。後半36分、DF高橋諒(2年=国見高)のクロスを相手GKが弾くとこぼれ球を途中出場のMF苅部隆太郎(3年=川崎F U-18)が押し込み、試合を振り出しに戻した。

 死闘となった一戦は10分ハーフの延長戦に突入。だが自力に勝ったのは専修大だった。延長前半5分、長澤のスルーパスにオフサイドラインぎりぎりで抜け出した仲川が冷静に流し込む。「コースは自分の得意な角度。あそこのコースは自信があった」。源平監督も「決定力の差が出た」と振り返ったシーン。その後明治大はゴール前のFKでGKも前線に上がるなど超パワープレーに出るなど反撃を試みたが、専修大がしのぎ切り、4強へと駒を進めた。

 昨年度は準々決勝、場所も同じBMWスタジアムで行った鹿屋体育大戦にPK戦の末に敗れていた専修大。リベンジを果たしたことで、さらに士気は高まっている。「借りはちゃんと返した。あとは国立目指してやるだけ」と源平監督が話せば、決勝点を奪った仲川も「次の相手が関西王者ですけど、関東の王者として負けられない」と気合を込めた。

 明治大も敗れはしたが、健闘が光った試合だった。神川明彦監督も「今日のゲームは素晴らしかった」と選手たちを称える。だがすぐさま「屈辱から立ち上がるのが明治です」とリベンジを誓うことも忘れなかった。

(取材・文 児玉幸洋)

▼関連リンク

第62回全日本大学選手権特集ページ

TOP