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[国体少年男子]土壇場で追いつき、PK戦で前回王者撃破!京都府が4年ぶりの4強進出!

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[10.1 国体少年男子準々決勝 兵庫県1-1(PK3-4)京都府 味フィ西]

 1日、第68回国民体育大会「スポーツ祭東京2013」サッカー競技少年男子準々決勝が行われ、前回優勝の兵庫県と京都府との一戦は1-1で突入したPK戦の末、京都が4-3で勝利。京都は4年ぶりに進出した準決勝(2日)で東京都と対戦する。

 準決勝への切符をかけたPK戦。後攻・京都2人目のMF大川聡一郎(洛北高)の右足シュートを兵庫GK桐林海生(神戸U-18)がキャッチすれば、京都はGK若原大志(京都U-18)が兵庫3人目のMF金田拓海(神戸U-18)のシュートを止め返す。そして5人目。兵庫の10番、FW石川慧(神戸U-18)の右足シュートを若原が右へ跳んで再び弾き出した。直後、決まれば勝利の決まるシュートをCB太田京輔(京都U-18)が左足で左隅へ流し込むと、両手を突き上げて走りだした太田の元へ次々と青いユニフォームが駆け寄り、喜びを爆発させていた。

 王者を撃破しての4強入りだ。独特なドリブルから決定的なパスを通してくるMF中坂勇哉(神戸U-18)と金田を軸にボールを動かし、運動能力の高さを見せる右SB藤谷壮(神戸U-18)と左SB大隅育志(神戸弘陵高)が攻め上がってくる兵庫に対し、相手よりも1試合消化試合が多い京都は疲労の影響もあってかなかなか前に出ることができなかった。そして後半6分、兵庫は右サイドでDFを剥がした藤谷を起点とした攻撃からショートパスをつなぐと、FW西脇惇平(神戸U-18)のスルーパスで右サイドをえぐった藤谷の折り返しをMF中矢純之介(神戸U-18)が右足ダイレクトでゴールヘ流し込む。

 京都にとっては今大会初失点。これまでの試合の多くは先行して逃げ切った試合が多いだけにFW門司康成(京都U-18)は「本当にヤバイと思いました」と振り返る。ただ残り時間が少なくなって行く中、京都はピンチをつくられながらも「攻めるしかない」と割りきって前に出ていく。MF武市穣太(京都U-18)の好パスやMF沼大希(京都U-18)の個人技からシュートにまで持ち込んだ。それでもCB山川哲史とCB東隼也(ともに神戸U-18)が危険なボールを跳ね返す兵庫から決定的な形をつくることができなかった。

 だが、後半32分、FW木下英駿(東山高)からパスを受けた門司が「FWなんで点取ることを常に考えている。打った瞬間入ったと思いました。(難しい位置からのシュートだったが)DFが下がっていたし、間が開いていた」と左中間からニアサイドへ右足シュートをねじ込む。雨でスリッピーなピッチ状況を把握して放ったグラウンダーのファインショット。土壇場で追いついた京都は中坂が退場して数的不利を強いられた兵庫を終盤、延長戦でも押し込んだ。勝ち越しゴールを決めることはできなかったが、守護神・若原に絶対の信頼のあるPK戦を制して4強切符をもぎ取った。

 頂点まであと2勝。準決勝では地元の声援を背に戦う東京と戦う。米澤一成監督(京都橘高)は「どアウェーでやりたいと思っていた。ドローを見た瞬間から。東京も地力ある。あとは京都の選手がどれだけ回復してやれるか。やりたいことがちょっとできない状況がたくさんあるけれど、振り切ってやってくれるかどうか。もう、アドレナリン出て、おかしなってくれんと」。前回王者撃破に続き、開催地撃破を。今大会3試合中2度延長戦を戦っている疲労はもちろんあるが、立ち上がりからフルスロットルで東京を飲み込む。

(取材・文 吉田太郎)
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