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[選手権]27年前の再現! 玉野光南が再び岐阜工を退けて2回戦突破

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[1.2 全国高校選手権2回戦 玉野光南1-0岐阜工 味フィ西]

 第92回全国高校サッカー選手権2回戦が2日、各地で行われ、東京・味の素フィールド西が丘の第2試合は、玉野光南(岡山)と岐阜工(岐阜)が対戦した。カウンターを得意とするチーム同士の一戦となり、ロングボールが行き交う展開となってしまったが、最後に好機をつかんだのは玉野光南。後半33分、途中出場のFW中塚啓太(3年)のクロスにFW難波大智(3年)が頭で合わせた。玉野光南が1回戦に続いて得意の1-0に持ち込み、27年ぶりとなるベスト16入りを決めた。

 玉野光南が初出場した1986年度大会。その2回戦の対戦相手が岐阜工だった。そのときは0-0のスコアレスの末にPK戦で玉野光南が勝利しており、27年ぶりとなる顔合わせに両校の熱は一層高まった。

 1回戦のスコアはともに1-0。堅守速攻が持ち味の両軍は、まずは守備から入った。玉野光南はキャプテンのDF野上浩平(3年)とDF久山隆一(3年)、岐阜工はDF飯島龍寿(3年)とDF村瀬大地(2年)を中心にゴール前に壁をつくる。速攻を担うのは、玉野光南が機動力に優れたFW中井レアーズ(2年)と難波、岐阜工が高さのFW永田薫(2年)とスピードのFW竹下晃太郎(1年)。

 FWにボールがおさまらない玉野光南だったが、一気にチャンスをつくれる大きな武器がある。1回戦で会場を沸かせたFW古矢涼(3年)のロングスローだ。プロでもなかなかお目にかかれないほどの飛距離とスピードを備えたロングスローを岐阜工PA内に再三放り込むが、ゴールは遠い。

「やっていきたいゲームプラン」という乙倉健二監督の理想通り0-0で後半に入った玉野光南は、中盤右サイドの古矢にボールがおさまり始める。すると同13分には古矢のクロスに中井がダイビングヘッドを放つもボールに力はなく、GK大西裕之(2年)が難なくおさえた。

 岐阜工が後半シュート1本だったのに対し、玉野光南のシュートは8本。そしてそのうちの1本が、岐阜工の堅守を崩した。同33分、途中から左の攻撃的MFに入った中塚が左足でクロスを入れると、168センチの難波がゴール前のスペースに飛び込んで均衡は破れた。

 2戦連続で完封勝利を飾った乙倉監督は、「自分たちの実力を自覚している。少しでも真面目さを欠いたらやられる」と勝因を謙虚に語った。とはいえ、県決勝で8大会連続出場中だった強豪・作陽を敗っているだけに、相手に臆するつもりはない。「予選を勝ち抜いてきた自信はある」。創立30周年で新しい歴史を刻むべく、玉野光南はベスト8入りを懸けて15年連続選手権出場中の強豪・星稜(石川)と戦う。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)

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