beacon

[MOM899]矢板中央DF川島諒太(3年)_指揮官絶賛のリーダーシップ、全国躍進のキーマン

このエントリーをはてなブックマークに追加

[11.16 全国高校選手権栃木県予選決勝 宇都宮短大附0-1矢板中央 栃木グ]

「練習、していたんですかね」

 決勝戦終了後、地元TV局からマイクを向けられた矢板中央・川島諒太主将(3年)は堂々たる口調で周囲への感謝とライバルたちへの敬意、そして全国への抱負を語り切り、一個のスピーチのような完成度でフラッシュインタビューを終えてみせた。冒頭の言葉のとおり、高橋健二監督も目を丸くした見事なインタビューだったが、別に川島が口だけの男という話ではない。

 矢板中央は夏の高校総体では無念の県予選敗退。県代表となった真岡の躍進を悔恨とともに見守るしかなかった。厳しい夏合宿を経てレギュラーも入れ替え。一歩間違えればチーム崩壊になりかねない流れだったが、「川島は本当に素晴らしいリーダーシップを発揮してくれた」と高橋監督。ディフェンスラインも川島を除く全員が1、2年生になっているが、積極的に声をかけながらメンバーを統率。この決勝では明らかに緊張で硬くなっているメンバーに、時に笑顔すら浮かべながら声をかけ続け、混乱も見られた序盤を乗り切った。

 個人としてのプレー面でも安定したカバーリングでサイドのスペースまで広くケアしつつ、相棒の1年生CB川上優樹の特長を引き出しながら、巧みに守り切ってみせた。一発のロングキックで攻撃陣を走らせる精度も持っており、守る時間が長くなるであろう全国でもキーマンとなりそうだ。

「一つずつ勝って日本一になる」。そんな矢板中央主将の目標は、実にシンプルで、そして高かった。

(取材・文 川端暁彦)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2013

TOP