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見せつけられた世界の勝負強さ、長谷部「苦しくても勝ち切るのがイタリア」

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[6.19 コンフェデレーションズ杯A組 日本3-4イタリア レシフェ]

 体は寄せていた。しかし、止め切れなかった。MF本田圭佑のPK、MF香川真司の鮮烈ボレー。イタリア相手に2-0とリードを奪った日本にとって“鬼門”のセットプレーが、試合の流れを変えることになってしまった。

 前半41分、イタリアの右CK。MFピルロのキックにMFデ・ロッシが後方から飛び込むと、競り合うMF長谷部誠をモノともせず、豪快にヘディングシュートを突き刺した。

「前半からいい形で自分たちのゲームができていたけど、2-0になって、前半残り5分というところでセットプレーでやられた。あれは明らかに自分の責任。あの1点が試合の流れを変えてしまったと思うし、責任を感じる」

 イタリアにとって反撃の狼煙をあげる一発。2-0で前半を折り返すか、1点差に追い上げられてハーフタイムを迎えるか。その違いの大きさを分かっているからこそ、長谷部は自分を責めた。

「1失点目は自分の責任だし、あれでゲームプランは間違いなく狂った。自分の責任が大きい」。2-2で迎えた後半7分にはFWジョビンコのミドルシュートが長谷部の手に当たり、ハンドでPKを与えた。イタリアに逆転を許し、イエローカードを受けた長谷部は累積2枚目となり、22日のメキシコ戦は出場停止となることが決まった。

 それでもチームのために。キャプテンは果敢にプレーを続けた。積極的に攻撃参加し、フィニッシュにも絡んだ。後半32分のミドルシュートがゴール上に外れると、悔しさをあらわにした。

「今日はイタリアも良くなかった。中2日であまり動けてなくて、明らかに自分たちがボールを支配していた。自分たちが連動してプレーしている時間が長かった」。一度は3-3の同点に追いつき、その後も勝ち越しの決定機はあった。しかし、土壇場の後半41分に4失点目。3-4の敗戦でグループリーグ敗退が決まった。

「4失点のうち2失点は自分たちのつまらないミス、1失点は不運で、最後の失点は集中しないといけないものだった。細かいところを突き詰めていかないと勝てない。苦しくても勝ち切るというのが、イタリアの強さだと思う」。目の前で見せつけられた“世界”の勝負強さ。それを今度は日本が身に付けない限り、本当の意味で世界との差は埋まらない。

(取材・文 西山紘平)

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